中国はなぜ「愚策」といわれる金融緩和を継続するのか?

tamura_0804
 

中国経済不振のニュースが連日取り上げられる中、『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』の著者で元参院議員の田村耕太郎さんは、いつまでも中国をバカにしている日本人に辟易している様子。今回はその理由を抜粋してご紹介します!

中国をバカにする残念な人々

中国市場ひいては中国経済がしっかりした方が成長ポテンシャルが限られる日本経済のためなのに、なんでわざわざ中国の事もよく知らないでバカにするのか? 

残念な日本語でグローバル金融を分ったように語る人々。本当の国士なら、中国はバカにするより、もっと深読みして警戒する存在だ。

こういう方に限って世界の金融の中心におらず、世界の金融の本当の中心にいる連中のローカルスタッフ・メッセンジャーだったり。

一方、中国の金融当局には日本で国際金融マンぶる方々よりはるかにグローバル金融機関や国際機関出世した連中がたくさんいる。彼らの方がはるかに金融市場を分っている。そういうことで、日本人で国際金融マンぶる方々は、こういう人たちの存在を知らないから、中国当局をバカにするんだろうな。

中国当局は最初は市場介入するデメリットをわかっていたので、介入を躊躇したが、あまりにもオーバーシュートが過剰になりそうなので、それを緩和するために仕方なく愚策と言われようとも介入に入っただけだ。株価維持とか株価を無理やり上げ続けるとか考えてもいないし、できるとも思っていない。

欧米の金融が勝手に作ったポジショントーク理論をありがたがって信奉し、中国をバカにしている連中が中国当局を舐め切っている間に、欧米は、どんな株がどう下がり、それを持っている人がどんな人なのかを綿密に分析し、中国株式市場の昨今の市場の混乱の中国経済への影響が限定的であることを知って違う動きを取り始めているかもしれない。

欧米の本当の金融マフィアは彼らが市場でやってきたことを知っているので、中国のような統制経済の国が巨大な資金を持った国際金融市場で初めての事実を現実的にみている。彼らが作った金融市場理論を意固地に信奉し、中国を舐め続けているわけではない。中国は経済でも安全保障でも、リスペクトを持って警戒すべき存在だと彼らはわかっている。おろかに見える行為は中国当局が出しているサインだったりするのだ。日本以外はそこまで読んでいる。

image by:Shutterstock

 

『田村耕太郎の「シンガポール発 アジアを知れば未来が開ける!」』より一部抜粋

著者/田村耕太郎(前参議院議員)
早稲田大学、慶応大学大学院、デューク大学法律大学院、エール大学経済大学院を各修了。シンガポールを拠点に、歯に衣着せぬ鋭い論調で「日本の良い箇所・悪い箇所」を指摘するメルマガは、世界で勝負したいという人必読。
≪無料サンプルはこちら≫

print
いま読まれてます

  • 中国はなぜ「愚策」といわれる金融緩和を継続するのか?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け