2010年、本庄早稲田駅から車で15分ほどのところに、赤城乳業の「本庄千本さくら『5S』工場」という、新工場を作りました。
一般の方々が見学もできるようになっています。
この工場では、アイスを作る機械に「あいちゃん」「スザンヌ」「イチロー」「りょうくん」などの名前を付けています。
これも、赤城乳業流の〝遊び心〞ですが、名前を付けたことで、機械に愛着が湧きます。「1号機の動きが悪い」というよりも、「あいちゃんが、今日はご機嫌ななめだ」と言ったほうが、工場の中の雰囲気がソフトになります。
機械の名前は、みんなが聞きなれていて、呼びやすいものにしています。
「どこかで聞いたことがある」「名前を聞くだけで、なんとなく、イメージが湧きやすい」ほうが、愛着も湧きやすいからです。
ネーミングは、商品に魂を吹き込むのと同じです。どんなにいい商品であっても、名前次第でヒットしない場合もありますので、妥協せずに考えたいものです。
著者/鈴木政次
赤城乳業株式会社 監査役。“ガリガリ君”の開発者そして育ての親。東京農業大学農学部農芸化学科卒業後、赤城乳業株式会社に入社。「ガリガリ君」、「ガツンとみかん」、「ワッフルコーン(大手コンビニPB)」など、数々のヒット商品を生み出す。商品開発だけでなく、人事以外の全ての部門に携わる。現在は講演会や執筆活動を通して、商品開発、マーケティング、営業、マネジメント、組織づくりについてこれまでの経験を伝えている。