ジョブズも虜に。日本の「禅」が導くシンプルで深い人生の道標

 

禅とは?

禅とは、自分と向き合うことによって本当の自分を見つけることです。生まれた時から持っている本当の自分に気づき目覚めるための手段です。

元々、人間はとても純粋で綺麗な心を持って生まれてきます。しかし、歳を重ねて色々な人との接点が増えることなどで人間関係の悩みが発生します。世間の荒波にもまれているうちに心に重りのようなものを背負ってしまうようになるのです。本当の自分に気づくというのは、この重りを振り払うための作業です。

座禅をすれば何かが得られるということではありません。むしろ何も得ないばかりか、背負ってしまっている重りを下すことなのです。心の中から重りを取り除いて空っぽにするのです。

失敗も成功も引きずらない。先の事も考えない。過去の事も考えない。いわゆる「の状態です。ひとつの事に集中すると「無」になれるということです。その時々の瞬間に集中して、無になれれば、限られた人生が輝かしいものになるということです。

今の時代、ほとんどの人がシンプルになれずに、悩みを抱えて苦しんでいる人も少なくないでしょう。禅は悩み苦しんでいる自分を解放し苦しみから逃れて悟った状態の自分になるための手段の一つなのです。現代人の多くは、見栄や欲望、地位や名誉といった執着やしがらみが自らを苦しめているのです。

知らぬ間に背負ってしまったこれらの重りを下ろし、生まれた時のように空っぽにする。そうるすことでイライラした気持ちを鎮め、嫌なことも悪かったことも忘れて、自然な状態で日常に戻れるようになるのです。いらないものを捨て、必要ないことはやめ、今ないものでも必要なければ買わないことです。周囲で起こることも人生を大きく左右することでなければ気にすることもなくなります。

人間は動物と違い、社会的な生き物なので生まれたままのきれいな気持ちでいることは困難です。動物は本能のおもむくまま行動するので、ある意味野蛮でもありすが、心に重りを背負っていないので純粋で心は綺麗でしょう。人間は損得勘定が身についてしまい、見栄や虚栄心など執着があるために、動物ほど本能的に行動出来ません。そのため正しい選択が出来ない状況にあります。これをしたら周りによく思われないかも、などと行動よりも考えることを先にしてしまうからです。

その点動物は本能的で人間より純粋無垢です。だから我々は動物やまだ綺麗な心を持っている子供を見て癒されるのでしょう。我々も毎日の生活の中で余計なことを考えずに先に行動することが出来たらいいのでしょう。面倒くさいとか、今はやりたくないとか、このことをしても無駄になるのでは、とやたらと損得勘定が湧いてきます。無心で純粋な気持ちで一歩が出ないといけないのでしょう。

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