1.「経営方針をぶれさせた」
「ふりかけ無料」は、店の経営方針として、「購入者へのサービス」だったはずです。ところが、店長はこれを破り、ただの無料にしてしまいました。
たった一度でも、買わなくてもあげたなら、そちらにあわせるしか、ありません。もし、この後も、「ふりかけ」サービスを続けたいなら、「だれでも」無料にするべきなのです。それがコスト的に無理なら、やめてしまうしかないでしょう。
小さく見えることであっても、一度経営方針にぶれが出ると、大きな会社でも危なくなります。たとえば三菱自動車は、2000年、2004年と立て続けに「リコール隠し」が発覚し、経営危機に直面しました。そこで懲りず、昨年4月には、軽自動車の燃費データを不正に改ざんしていたことがバレてしまいます。
三菱自動車には、「所期奉公」「処事光明」「立業貿易」というとても立派な三綱領が、基本理念として掲げられています。
さらに、リコール発覚前の、2000年当時の社是には、
一、誠実を旨とし、和を重んじて公私の別を明らかにする。
という一文もありました。「処事光明」「誠実を旨」という経営方針がぶれたのです。
もし、読者さまが経営者なら、どうかご注意ください。もし、従業員なら、経営方針のぶれに気づいたら、上司に指摘できますか? 指摘できたとしても、それを言われた人の、その後の態度が悪かったら、三菱自動車のようになる、兆候かもしれませんよ。