偉くなった経営者こそ「叱ってくれる人」が必要な理由

 

親子と兄弟の違い

二人の息子さんがいて、どちらもお店を手伝うことになりました。兄弟仲良く仕事をしています。それぞれ責任のある仕事を任せられ、十分に成果がでました。二人とも自信たっぷりです。

時が経って、お店の規模も大きくなり父親は息子さんたちに経営を任せることになります。すると、しばらくして頻繁に兄弟ゲンカが起こるようになってしまったのです。親子ゲンカと同じで、遠慮なく意見をぶつけ合います。ところが、兄弟というのは、そこでおさまりません。お互いの主張を引っ込めないから大変です。不信感ばかりがつのります。

ここが親子ゲンカと違うところです。弟にとって、お兄さんは叱ってくれる人ではなく、自分の邪魔をする人になってしまいました。そう思ってしまうと、お店の運営に悪い影響を与えます。そのせいでしょうか、とうとうそのお店はなくなってしまったのです。

父親が経営にタッチしていた時は、しっかりと息子たちへの抑えがきいていました。その抑えがなくなってしまったことも経営がうまくいかなくなった原因の一つかもしれません。私は、こんな事例をいくつか見ています。

兄弟というのは結構むつかしいものなのです。この兄弟の周りには、叱ってくれる人がいなかったのでしょうか。

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