今から見れば、どうやら胡錦濤氏の反撃が見事に成功して、それが前述の習近平主席の広東省への「重要指示」につながったようだ。この「重要指示」をもって広東省限定の「評価と期待」を寄せたことで、習氏は事実上、胡春華氏を特別扱いし、彼の後継者としての地位を半ば認めることになったからだ。
胡春華氏は、ポスト習近平への後継者レースにおいて大きく前進したが、もちろんそれは習氏の本意ではない。自らの政権維持のために、彼は共青団派と妥協せざるを得なかったのである。
そのことは党内における習氏の権力基盤が決して盤石でないことを示した。本物の「独裁者」への道のりは依然として遠いようだ。