探偵が突き止めた、時折ポストに入れられている「NTT」チラシの正体

2017.05.12
 

すぐに判明したことは、NTT東日本の特約店・販売委託店であることは事実だということであった。その上で、NTT東日本に確認を取ると、正規の代理店の委託先であるということで、新たなサービスなどの周知が難しいこともあり、委託先には営業の指導はして、販売を再委託しているとのことであった。

NTT東日本からは指導をするという話が聞けたが、指導というのがどの程度かは不明であるし、そもそもこの販売を委託するような制度自体に企業としての無責任姿勢はアリアリであり、なんだか悲しくなってくる。

実態を調査するために、住所地への出入りする人物を特定するにも、事前の情報から別法人が同じ住所地を使っているという確かな情報もある。

だが、調査とはやってみないとわからないもの、そもそもわからないから調査をするのだから、判明情報には喰らい付いてこその「探偵魂」とも言える。

私はじっくりと調査をすることにした。

そして、地道に調査を進めているとポスティング業者が判明した。

これは単に出入りする人物を確認していくという地道な内偵調査の賜物であり、私からすれば、ポスティング業者がわかれば、その配布地域の特定も可能であり、チラシが配布された地域で聞き込み調査を進めれば、被害者に当たることもできる。

ヨミは時間こそかかったが、的を得たものになった。

まず、この会社の社長は元々はコピー機などの事務機器のリース業者であり、電話の工事などは業者の知り合いも多く、お手の物であった。

このチラシは一定の効果があり自ずと配布地域から電話が鳴る

それを受けて、契約代理店がNTTとの間に入る契約に必要な情報を聞き出し、従前の契約を見直してカスミを取ったり、彼らは「親」と呼ぶ正規の販売代理店が持つ新たな回線契約に切り替えさせることで利ざやを稼ぐという手法が主な収入源になってい
た。

つまりは、紙の上での仕事であり、どこかへ出張って工事をするということは、まずないのだ。

一方、この手の詐欺的手法に引っかかるのは、大学入学や就職などで一人暮らしを始める地方出身の単身の若者や集合団地などに住む高齢者世帯であることもわかった。

特に高齢者世帯では、インターネットをしたいという需要が高く、インターネットの出張設定もするし、パソコンの販売もすると言って、スマホがあれば済むようなテレビ電話システムを売りつけたり(この場合はリース契約をして結果市販価格の数倍の
価格で売りつける)、意味不明な保守点検契約を結んでいるケースもあった。

このような商材は、その時期の旬で決まり、例えば携帯電話大手キャリアが、キャンペーンを行い、契約奨励金を出すといえば、、、、チラシに騙されて電話をしてきて、よくわからない消費者ということで、無意味なサービスをつけられても何の文句を言わない「カモ・リストで電話営業をするのだ。

一方、彼らが「と呼ぶ正規の代理店についても調べてみた。

こちらはこちらで、片っ端から電話をしてテレアポ営業に励んでいた。

では、この「親」は電話番号をどこから入手しているのか?

なぜ私にこの疑問が浮かんだかといえば、このテレアポ部隊の営業マニュアルには、このような一文があったからだ。

「もしも、なぜ私の個人情報である電話番号がわかったのか?と訊かれたら、、」

「電話番号を1つずらして、順番にお電話させて頂いております」と答えなさい。

とあるのだ。

さらに

「販売代理店のくせに、契約情報がそっちにいっていないというのは、解せないが・・・」と疑問をぶつけられたら、、、

「個人情報保護の観点から、そういった大切な情報まではきていませんので、あくまで自己申告してもらい、その上で適切なプランをご案内させて頂いております。」と答えなさいとある。

つまりは、番号を1つズラして、無数の番号にコールして、テレアポ営業をこなすという超ハードな営業体制が敷かれていることになる。

それは耳障りこそ良いが、現実には不可能であろうとも言えるのだ。

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