中国が「軍事施設の偵察」を韓国に要求。米中の板挟みに泣く韓国

 

中国、「THAADを見せろ!」要求

韓国、最大の悩みは、「アメリカと中国の板挟みになっていること」でしょう。中国は、「THAADを見せろ!と文政権に要求しています。

韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が外交に苦慮している。米軍の最新鋭迎撃システム「THAAD」に強く反発する中国から、施設の視察を要求されたのだ。中国と話し合う姿勢を見せていた文氏だが、その思いが袖にされた形だ。
(夕刊フジ 6月19日)

なぜ、中国はTHAADを見たいのでしょうか?

「中国側はTHAADレーダーが中国本土を探知可能かどうか直接確認したがっている。(中国が)韓国政府だけでなく、さまざまな外交・民間ルートを通じ、同様の要求を行っていると聞いている」

 

韓国紙、朝鮮日報(日本語版)が14日、青瓦台(大統領府)関係者の話として伝えた。

(同上)

「中国側はTHAADレーダーが中国本土を探知可能かどうか直接確認したがっている」。

そうなんです。中国は、「THAADは、対北朝鮮だけではなく、対中国でもある」と疑っている。「違うのなら見せろ!」と。韓国は、「嫌です!」とはっきりいえばよさそうなものですが。なぜ拒否できないのでしょうか?

青瓦台は対応に苦慮し、関係者は「中国の要求が無理な内容であることは事実だが、THAAD配備に対する中国側の反発が強まる状況で要求を一蹴することも難しい状況だ」と話したという。それはそうだろう。昨年7月にTHAADの韓国配備が決まってから、中国は「禁韓令」を連発し、中国のドラマや映画、バラエティー、広告などから韓流スターが排除される動きが拡大した。対象は化粧品や旅行にまでおよび、韓国で大騒ぎとなったからだ。
(同上)

そうなんです。中国は、THAADが原因で、韓国に事実上の経済制裁」を課している。日本全国、どこにいっても中国人観光客があふれている。韓国も以前はそんな状況だった。ところが、習近平の命令で、中国人が韓国に来なくなってしまった。その他、あらゆる分野で事実上の制裁が課され、韓国経済は苦境に立たされている。

「じゃあ、見せちゃえばいいじゃん」という人もいるかもしれません。しかし…。

中国の反発を考えれば、要求を受け入れるのも一つの手だ。だが、THAADは北朝鮮のミサイルから韓国を守る要であり、同盟国である米国との関係を考えても、簡単に中国の要望をかなえるわけにはいかない。
(同上)

そりゃあ、そうですね。アメリカ最大の「仮想敵」中国に、軍事機密を見せることになるのですから。

現に、文政権がTHAADの本格稼働を遅らせる動きを見せると、ドナルド・トランプ米大統領はホワイトハウスに「狂犬」ジェームズ・マティス国防長官らを集め、協議を行った。今月29日から予定されている米韓首脳会談でもTHAADは重要議題の一つになるとみられ、文氏が対応を誤れば、韓国の安全保障を担う米韓同盟に亀裂が走る恐れがある。
(同上)

嗚呼、板挟み…。

print
いま読まれてます

  • この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け