地球温暖化は真っ赤な嘘? 元お天気キャスターが語るホントの話

 

今から100年以上前の産業革命初期のストックホルムで、汚染で黒ずんだ空に点在する 煙突をみながら、科学者のアレニウス・スヴァンテはこう呟きました。

「今、スカンジナビアで、ロンドンで、パリで、ニューヨークで燃やされている石炭は、 世界中の人の暮らしに役立っている。 しかしながら、この素晴らしい発展は未来に黒い陰を落とすに違いない。 そして、そのことに多くの人たちが気付いたときは、既に手遅れになっているだろう」ーーー。

私が「ニュースステーション」でお天気キャスターをやっていた1990年代後半、 福岡で1時間97ミリの雨が降りました。

「河合、1時間100ミリってどんな雨なんだよ。体感してこい!」と 筑波の気象研究所に急遽行かされ、 「久米さ〜ん、今から100ミリの雨を降らせてもらいま〜す(人工的に降らせる施設)」と、 番組のトップニュースとして中継しました。

その数年後から1時間100ミリは各地で頻発。

ゲリラ豪雨という呼び名が普通に使われるようになりニュースにもならなくなった

春と秋が短くなり、猛暑、酷暑、竜巻、大雪、短時間豪雨、落雷が増え、 誰もが「最近、天気おかしいよね?」と思うようになりました。

スヴァンテの予言(?)どおりなら、「時すでに遅し」、なのかもしれないのです。 それでも最新の科学は、「二酸化炭素をみんなで協力して減らせば、失われる命を最低限にできる」と訴えている。

昨年、9月にそれまで消極的だった中国の習近平国家主席とオバマ米大統領(当時)が 「パリ協定」に批准。2人の握手する姿は世界中を感動させました。110超の国・地域が批准するなど、人種や紛争を越え、国境を越え、「二酸化炭素削減」 という共通の目標に向けて手を取り合いました

個人的には、これだけでも素晴らしいことなんじゃないか、と。

戦争や紛争は絶え間なく続いているけど、温暖化という枠組みであれば 「みんなで一緒にやっていこうよ」と仲良くできる。

科学的にうんぬん以前に、 人権的に素晴らしいことだと思うわけです。

そもそも“ECO”って何の略だか知ってますか?

「ECOというのは、Environmental Children’s organizationの略です。カナダの12歳から13歳の子どもたちの集まりで、今の世界を変えるためにがんばっています。 大人のみなさんにも、是非生き方を変えていただくようお願いするために、自分たちで費用 を貯めて、カナダからブラジルまで一万キロの旅をしてきました」

これは1992年6月に、ブラジルのリオで行われた環境サミットに参加した、 セヴァン・スズキさんという12歳の少女が行った“伝説のスピーチ”の冒頭のフレーズです。

ECO=Environmental Children’s organizationーー。

こう考えれば、「パリ協定」、温暖化対策の大切さがおわかりいただけるかと思います。

 

image by: Shutterstock

 

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米国育ち、ANA国際線CA、「ニュースステーション」初代気象予報士、その後一念発起し、東大大学院に進学し博士号を取得(健康社会学者 Ph.D)という異色のキャリアを重ねたから書ける“とっておきの情報”をアナタだけにお教えします。
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