小池ファーストに翻弄される「都議選」の真の争点を読み解く

 

そう考えると、こうした「都市型小さな政府論」の特殊性は明らかです。東名阪といった経済的に繁栄している地域に独特の「自分は納税しているが、その税金が間違ったハコモノ、あるいは公務員の給料に使われている」という「ネガティブな怒り」を政治的なパワーに変換するというマジック、それ以上でも以下でもないのです。

その発想には、全国に通じる普遍性はありません。また、それぞれの大都市が本当に抱えている中長期の課題に対して向き合う姿勢もありません。ただ、基本的には「保守バラマキ」である自民党の「田舎性」が、大都市で顕在化した部分だけ「田舎的なバラマキは止めて欲しい」と怒ってみせる、それだけであって、政治的にはほとんど意味がないように思います。その都市そのものの課題にも、全国レベルでの課題にも向き合う姿勢がないからです。

image by: 小池百合子 Facebookページ

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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