医学博士も危険視する「髪染め」と「ガン」の恐るべき関係性

 

ストレートパーマと髪染めの害

ということで、僕は経皮吸収されるものの害が存在するということは意識していました。しかし、その説をサポートする信頼できる科学的根拠が20年前は多くはありませんでした。がんが先進国の中で深刻な社会問題となっている今、そういった製品の身体への影響もやっと研究されてくるようになりました。そんな中、ニュージャージー州のRutger大学の公衆衛生科のグループが先月国際誌に発表した研究が目にとまりました。ニューヨーク州とニュージャージー州を対象にした疫学的調査ですが、ストレートパーマ剤や化学染毛剤を定期的に使用しているアフリカ系米国人および白人女性は乳がんのリスクが増大しているという内容でした。

調査は4285人からデータを取っていましたが、暗い色に染める化学染毛剤を使用していると回答した黒人女性では、そうでない黒人女性よりも乳がんのリスクが51%も高いという結果でした。さらに、ストレートパーマ剤を使用していると回答した白人女性は乳がんリスクが74%増大していました。さらに、ストレートパーマ剤と化学染毛剤の両方を使用している女性の乳がんリスクはさらに増大しており、全く使用していない女性と比較すると2倍を超えていました。

ただし、黒人女性と白人女性では文化が異なるため、好んで使用するストレートパーマ剤や化学染毛剤の種類も異なってきます。この研究ではどの製品を使っているかまで突っ込んでいませんが、実際にはどの製品に含まれるどの成分が危険なのかを疫学的調査で関連付けし、そこから発がん性の医学的試験を行う必要があります。とはいえ、今回の疫学調査は最大規模の黒人女性集団を対象としているという点で、今後の研究に対する多くの問題提起をしたと言えます。

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