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プレゼンはあえてボケ倒す。ボケ・ツッコミの応酬が成功を導く

プレゼンといえば、寸分の隙のない完璧なものをついつい目指しがちですが、それは逆にダメだと語るのは、無料メルマガ『ビジネス発想源』の著者・弘中勝さん。むしろ“ツッコミどころ満載”なもののほうが、かえって上手くいくとのことですが、いったいどういうことでしょうか?

ツッコミ待ちのプレゼン

プレゼンの極意は、「ツッコミどころを入れておく」ことです。

なぜかというと、聞いている側がツッコミを入れてくるということは、無視をしていないということだからです。

何度もなんどもツッコミを入れていくうちに、あら最後まで聞いていた、というのが、良いプレゼンの形です。

しかし、多くの人が「ツッコミを入れられないようにプレゼンしよう」と考えて、念入りに準備をします。

ツッコミを入れられない、ということは、それだけ理論武装していくことですから、プレゼンがどんどん重くなっていきます。

そして、プレゼンを聞いている側も、理論武装で固めているプレゼンを聞かされたら、「どっか穴を見つけてやろう」と躍起になり、要点と全然関係ないところで欠陥を探します。

だから、全然予想もしなかった質問をされて、十分に理論武装をしたはずだったのに、と発表者は余裕がずたずたに崩れてしまい、ぐだぐだのプレゼンになっていきます。

もちろん、聞く側がするであろうツッコミを事前に想定しておくことは、大事なことです。

それを、ツッコミをできないようにするのではなく、ツッコミを流れに入れてしまうのです。

例えば、「当社は、日本一です」と発表する。

「おいおい、それは言い過ぎだろ」と聞く側は心の中でツッコミを入れる。

それを分かった上で、「これ、言い過ぎだろと思う方もいると思いますが、売上高でいうと10位以下なのですが、実は社員一人あたりの利益率を出すと1位で……」と、ツッコミに対しての流れを作る。

「そりゃ、いろんな切り口で見てみたら、1位になることだってあるだろ。そんな算出方法に意味があるの?」と、聞く側がまたツッコミを思う。

それに対して、「うちは全体の売上高よりも、社員一人あたりの利益率を重要視してます。なぜそれが一番大切かというと……」と、ツッコミに対しての流れを作る。

そうやって、ツッコミに対する流れを連続して組み立てていくと、余計な理論武装なんかしなくても、自分たちの考えをきちんとストーリー立てて説明をすることができるのです。

何か突発的な質問が出た時に、「おっ、よくぞ聞いてくれました!」「おっ、いい質問が出ましたね!」と質問や質問者を持ち上げる人がいますが、これはツッコミが入ることで流れを作れる人です。

ツッコミというのは厄介なものに見えるので、普通は「ちょっと黙っててよ」と思いがちですが、そのツッコミが来たことで、きちんと流れができているのであれば、話が間違っていないというイメージになるのです。

ツッコミを入れられないように、もしくはツッコミを無視するようにしたら、強引な話の作り方だと思われるということです。

だから、ツッコミを入れてもらうほうがいい。

つまり、プレゼンというのは、自分たちの主張だけを固めて構成するのではなく、聞く側がどう思うか、どういうことに疑問を持つか、という聞く側の視点や感情も組み入れて作り上げなければならないということです。

そして、一歩踏み込んで言えば、プレゼンを聞く側もまた、プレゼンをする人にツッコミを入れて流れを止めようとするのではなく、流れが加速するようなツッコミを入れられる人ほど一流だったりします。

 

【今日の発想源実践】(実践期限:1日間)
・自社の製品やサービスを、長老が子供に説明するという会話文をノートに書いていく。ただし、子供役の会話は必ず疑問系でなければならない。

image by:Shutterstock

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