ご覧になっていただきました
では、次の文例はどうでしょうか。
ご来場いただいた皆様に展示をご覧になっていただきました。
「ご覧になっていただく」は、「見る」の尊敬語「ご覧になる」と謙譲語「いただく」がミックスされた「二重敬語」では? と、思っていたのですが、違いました。
これは「敬語連結」といって、2語以上をそれぞれ敬語にし、接続助詞「て」でつなげたもの。
来場者に「展示を見てもらった」ということを伝えたい場合、「見てもらう」の「見る」の尊敬語「ご覧になる」+接続助詞「て
その過去形は「ご覧になっていただきました」です。
「ご来場いただいた皆様」の後、「ご覧になっていただきました」と「いただく」が続くので、「ご来場の皆様に」に変更し、
ご来場の皆様に展示をご覧になっていただきました。
とします。
この一文の主語は(例文には書いていませんが)「主催者である私
展示を見てもらった「私たち」が立てる相手は、「ご来場の皆様」つまり、お客様。展示を見たのも「ご来場の皆様」。
ここでは、尊敬語でも謙譲語でも立てる対象が「ご来場の皆様」で一致しているため、「ご覧になっていただく」は「二重敬語」ではなく「敬語連結」に
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