警察官も面倒臭がる、モラルの低い「自転車同士」の事故

 

吉田:つまり……警察側としても面倒くさいからって解釈でいいんですね?(笑)

Tさんそりゃそうですよ。自転車同士の事故や、自転車が歩行者に接触した事故事案は数えきれないぐらいありますからね。

吉田:自転車側のモラルが低すぎるからですか?

Tさん:まさにそうです。自転車も軽車両という認識がなさすぎるからなんです。自転車同士では今回のような出合い頭での接触事故や、右側を走る逆走した自転車が左側通行して交通ルールを守っている自転車へ正面からハンドル同士が接触したりなどで揉める事案があったりとか、本当にキリがないんです。

吉田:そもそも揉める以前に逆走している自転車に大きな責任ありますけどね。ですが、お互い動いている者同士で事故の割合が10:0にならないから揉めたりするわけですよね?

Tさん:さすがですね、そうなんです。後ろから追突でもされない限り10:0にはなりません。今の日本の法律では接触してきたほうだけが損するわけではなく、そんな加害者も守られてしまうんですよね。被害者だけが泣き寝入りする古いままの法律が延々と変わらず継続されてますので、それは自転車だけではなくクルマでもバイクでも同じことなんですが……。

吉田:うーん、これでは殺人を犯した加害者でも人権が守られるのと交通事故の加害者は同じようなもんですなぁ。

Tさん:確かに似たようなもんですね。自転車同士での接触事故で一番揉めてしまうのは自転車の修理費用なんです。それはクルマやバイクでも物損事故になった時と同じなんですが、10:0にでも過失割合が判断されない限り被害者側も自分の壊れた自転車の修理費用を負担しなくてはならないわけで、初めて事故扱いされた人は面食らってしまうんです。「なんで相手の無謀運転でぶつけられた側なのに修理費用は相手が全部負担しなくていいんですか? こちらは被害者なのにどうしてなんですか?」と言われることも多々。この過失割合は私たちの感情的にも納得行かない部分多いですが、法律で定めていることでもありますので成すすべなしなんです……。

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