●ケース3:子供の成績がのびない
せっかく学校や塾に通わせているのに、高い学費や教育費を払っているのに、子供のためを思って子供によさそうな環境を与えているのに、結果がともなってこないこともあるかと思います。
よくある分かりやすい例でいくと、習い事に通わせているけれど、身についていないようだ、という状況もそうですよね。
どんな習い事があるかは、親がリサーチして、子供がやりたいという習い事に通わせることもあれば、まだ子供は情報不足だから親が選んで通わせることもあります。
親の気持ちは、きっと、子供の将来のためを思って、というのが一番強くあるのではないでしょうか。
親の方が長年生きているから、その経験もふまえて、小さい頃にこんなことをやっておくといいかも、という期待もきっとあるかと思います。
子供のことが大事だから、子供の才能を伸ばしてあげたいから、親は習い事に通わせるのだと思います。
ところが、子供はそれについていけないことも有り得ます。
典型的な原因としては、子供は興味がないから。
いくら親が子供のためと思っていても、子供がいやいややっては身につきにくいのです。
よくあるのが、英会話の習い事。
これからのグローバルな時代、世界で活躍するためには、英語の力が必要となってくるのではないか、と親は社会を知っているぶん期待をします。
そこで、英会話教室に通わせたり、家にネイティブの先生を呼んで英会話を教わったりして、小さい頃から英会話に慣れ親しんでほしい、と願う親の気持ちもよく分かります。
ところが、小さい子供は、英会話の必要性が分かっていないので、なんでこんなに勉強しなきゃいけないんだろう…英語が分からなくてもここは日本だから大丈夫なのに…そもそも英語に興味ないし日本で話す機会もないんだけど…なんて気持ちでいることがあります。
こんな話を聞いたことがあります。
親が英会話教室の習い事に通わせたくて、子供は仕方なくいやいや通っていたそうです。
でも、通ってみても、英語に対して興味がわかなくて、英語を話すことの必要性も感じられなかった。
なんとか1年間も通い続けることができたけれども、1年間で覚えた言葉はたったひとつ。
ワット キャナイ ドュー フォー ユー?
アルファベットではなくてカタカナで書いた一文。
おそらく先生がよく言っていた言葉なのでしょう。
What can I do for you?
あなたのために私は何ができる?
そんな言葉を発してくれる先生にも愛情を感じます。
そんな素敵な言葉を周りの人に伝えられる人になれたら、心が温かくて素敵だなって思います。
でも、1年間通い続けて覚えたのがたったこれだけ、というのも、ちょっと悲しいですよね。
親としては、なおさらせつない気持ちになるでしょう。
そこで、リフレーミングの出番です。
「子供が嫌がったとしても小さい頃に英会話を習わるべきだ」という枠組みをいったん外してみましょう。
ここで大事なのは、子供の気持ちです。
親がいくら子供のためと思っていたとしても、たとえ親の気持ちが子供に伝わっていたとしても、子供に興味がなければ伸びにくい。
何年もたって、中学に入って英語を学ぶようになってから、子供は英会話教室に通わせてくれたありがたみをやっと後から感じるようになるかもしれません。
小さいころから英語に触れさせてくれれば、とか、若いうちに海外に住んでネイティブになっていれば、とか、無意識に英語が話せるようになっていれば、とか、大人になってからはいくらでも思ってしまいます。
でも当時は、そのありがたみに気付けない子供もいる。
子供が好きなことが、親がやらせたいことならいいけど、必ずしもそうとは限りません。
だから、子供の声をきちんと聴いて、お子さんのやりたいことを伸ばしてあげられたら素敵です。
他の習い事をさせて、他の才能をのばすのも一つの道です。
あるいは、子供はその段階では興味がないようだけど、今のうちに子供にやっておいてほしいことがあるならば、子供の興味がむくようにうまく導くことも一つの道です。
それも、親の腕次第。
子供の意に反して強制的に習わせるのではなくて、うまく子供の興味がわくように世界を作り上げて、子供もやりたいという気持ちで習った方が、きっと親子ともども良い結果を生み出すのではないでしょうか。
子供も親もハッピーでいられる道を探せるとよいですね。
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