近年、「昇給しなくてもいいから責任者にはなりたくない」という人間も多いようですが、責任を取る立場になってこそ得られるものも数多あるようです。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者でサラリーマン時代に部長職の経験があるという佐藤しょ~おんさんが、「責任者」になって初めて経験できること、得られるスキルについて記しています。
責任とはそこから逃げられないこと
サラリーマン生活はもうやりたくないと思っていますが、それでもやって良かったなぁと思います。なぜならば、部長という比較的小さい範囲とはいえ「責任者」という立場を経験出来たからです。
責任者とはどういう人かというと、
● 何があってもそこから逃げられない人
のことなんですね。
- もうこれはダメでしょ
- ヒドくボロボロになったなぁ
- ここまで来ちゃったらもう諦めるしかないよ
- こんなところにいてもどうしようもないよ
- 会社を辞めた方がラクだよ
という場面、状況にいても、最前線から逃げることが許されない、顔を隠すことすら出来ないというのが責任者ということなんです。全ての矢が自分に当たってくるのが分かっていても、ケリをつけるまではそこに立ち続けなきゃならないのが責任者なのです。
人生でこれを体験出来たのは非常に良かったと思っています。
もちろん辛いんですよ。逃げられるものなら逃げ出したいですよ。なんたって矢がひっきりなしに自分めがけて飛んで来るわけですからね。中には味方だと思っていた人から放たれる矢は心を酸っぱくさせますしね。
そんな場面でも逃げられないと理解出来た経験、逃げるわけにはいかないのだという覚悟が出来た自分、この二つが非常に大きいわけですよ。
なんたって人間って弱いモノですから。逃げる場所があれば、そして逃げられる立場にいるのなら、そこから逃げないという選択をする人はいないと思うんです。だから意識の上では常に、
- どこかに逃げ場所はないか?
- 逃げても良い言い訳はないか?
を考えるんですよ。その考えを意識の力で完全に排除する経験って、責任者にならなきゃ出来ないんですよね。
■ 煮るなり焼くなり好きにしてくれよ
という投げやりじゃなくて、あくまでも建設的に、前向きな思考があった上でこう考えると、人間としての枠が大きくなる気がするんですよね。
どんな組織でもある一定のスケールになった組織でこれを体験出来るというのは、非常に幸運なことで、もしそんな立場になれたら、こういう場面で絶対に逃げずに対峙して欲しいと思うんですが、中にはいるんですよね、その瞬間にケツをまくっちゃう人が。
ま、プレッシャーに負けたとか、辛すぎて耐えられなかったんだとか、自分の弱さが出たとか、後からいくらでも言い様はあるんでしょうが、それでも要するに、
■ 自分だけはここから逃げられないのだ
ということを分かっていなかったということで、これは問答無用、言い訳不要の決定的過ちなんですよね。そういう人は組織のトップに就いちゃいけないんです。
今の日本は一部上場の会社のトップにもそういう人が散見されるのが残念でもあり、そういう会社だからこそ不祥事も起こすんだという感もあり、これからも歴史は繰り返すのだろうなぁと深く感じ入っているわけです。
出世の報酬はおカネじゃないんですよ。この責任という感覚なんですから。これを体験出来ることが組織人の栄誉であり喜びなんですから。この感覚は、逃げずに対峙したという体験をした人だけが理解出来るのです。
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