そうなると「死に票率」は全国平均で50%超え、下手をすると限りなく60%に近いということになるかもしれません。これでは、結果的に自民党が勝利しても、その政治的安定はそれほど期待できないということになります。
更に制度的な問題としては、衆議院と参議院の問題があります。特に民進党の場合は、参議院の民進党議員団は民進党のままであって、例えば蓮舫議員は「私は今なお参院民進党の国会議員。信頼できる方だけを応援する」とか、「立憲民主と希望の候補が一緒に出ているところでは、立憲民主の候補者を応援したい」という調子で活動しています。
これも非常に分かりにくい話であって、だったら参院の民進党も2つに分かれて希望と立憲に行けばいいと思うのですが、そうはならないわけです。
勿論、以上については、現在の選挙情勢の延長で22日の投開票結果に行くということを前提にお話をしているわけです。今週一週間のうちに何らかのドラマがあるかもしれませんが、さすがに公示後ですから起き得ることは限られています。どうやら困った結果になるような気がしてなりません。
普通なら株は下がるのでしょうが、アベノミクスの株高メカニズムが承認されたということで、堅調になるのかもしれません。それはそれで、そうなった場合、中長期的には調整の先送りという感じもします。
いずれにしても、政策論争の見えにくい選挙戦、しかも3つから4つの勢力が漫然と競い合うという中で、政権選択ということでは結果は出るかもしれませんが、政策の信認ということでは、何とも曖昧な結果に終わることを憂慮しています。
ちなみに関が原のたとえですが、小池さんが三成、枝野さんは宇喜多、小早川秀秋はさて石破さん?(未遂に終わりそうですが)という感じですが、家康にあたる人物は見当たらない感じです。韓国との関係修復と相互信頼を構築した家康のような人物が今は必要なのですが・・・。
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