地方で絶大な人気を誇る自民党が、「北海道」で支持されない理由

 

小池さんの東京での敗北には明快な理由があります。都民は、「都の自民党」という「土着のド田舎政党は大っ嫌いなのです。商工会の利権代表であり、昼間人口に冷たく、何よりも腐敗していると思っています。その意味で、都議選の結果は、それをストレートに反映したものでした。

ですが、国政の自民党は嫌いではないのです。と言いますか、その両者を全く別のものと考えているわけです。その辺の二重性について、面白いのですが、安倍さんは体感できるわけです。そこの点で、全く甘かったということは言えるのではないでしょうか。

しかし、小池さんの次の一手が興味深いところです。この人の発想法、行動スタイルというのは、何となくサダト(1970年代に活躍したエジプト大統領)という感じがします。やはり、彼女、青春の日々で間近に見ていたこの「政治的巨人の影響を受けているのではないかと思うんですね。何よりも、豪快に右から左に急展開したり、奇襲をかけたり、敵と抱擁したり、何れにしても、「次」があるのであれば、もう少し理念とか政策をきちんと整理し人材を揃えてやっていただきたいです。

それにしても、鉄の天井とは恐れ入りました。少女趣味のカマトトを演じられるところが、サダトとは違ったこの人のキャラであり、小泉翁などはその辺にゾッコンなのかもしれませんね。

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東京都生まれ。東京大学文学部卒業、コロンビア大学大学院卒。1993年より米国在住。メールマガジンJMM(村上龍編集長)に「FROM911、USAレポート」を寄稿。米国と日本を行き来する冷泉さんだからこその鋭い記事が人気のメルマガは第1~第4火曜日配信。

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