日米首脳会談の裏で、なぜ上杉隆は警察に拘束されたのか?

 

筆者の姿を確認した日本人記者のひとりが上杉がいると外務省と官邸に密告した。すぐに官邸と外務省の下見班(20人以上いた)警察庁と埼玉県警に不審者が紛れ込んでいると連絡した。

同時に、米国の現場担当者(まだ責任者は横田にいた)に「あの男は危険人物だ」と通達、事情を知らない米国政府関係者が確認している間に、霞ヶ関カンツリーの今泉総支配人にも「上杉は不正に忍び込んだと虚偽の説明をした。

そもそもオフィシャルパスを持っている者を不正扱いするのも意味不明であるが、仮に、忍び込んだとしたら警備上の問題が浮上するはずだ。だが、そこは問題にしなかったということで、筆者はいつものように記者クラブと役人の仕組んだマッチポンプ」だとすぐに気づいた。

こうなると、もう何をしてもダメである。米国政府の責任者に連絡したが、同時に埼玉県警の警備担当のトップが筆者のもとにやって来た。

ご同行ください

埼玉県警の警備本部に連行され、靴を脱がされ、屋外通路にパイプ椅子を広げ、座らされた。取り調べの開始である。

「犯罪者扱いですが、ご覧の通り、わたしはホワイトハウスのパスも、外務省のパスも、ついでに支配人からこの霞ヶ関のバッジももらっていますよ」

そう説明している間に、筆者を取り囲む人数は増え、ついには官邸や外務省の現場担当者を合わせて15名くらいに膨れ上がった。

もう何を言っても無駄だ。いつものことなのだ。半年かかって苦労して得たパスも記者クラブと役人のマッチポンプで一瞬で無効化する。彼らが特落ちを恐れて、NOBORDERを目の敵にするのはわかる。

だが、それがフェアな競争ではなくて、いつも権力を使った姑息な排除」でやられる。そして、この「マッチポンプ」のしくみを知っている者は日本に皆無だ。たとえ、それが記者クラブ問題を批判して活躍しているジャーナリストたちであってもだ。

なぜなら、こうした交渉の苦労をしてきたのは、ここ20年間、筆者ひとりだからだ。

雑誌も、海外メディアも、スポーツ新聞も、ネットメディアも、フリーランスも、筆者の努力と交渉の成果によって、現在、日本の記者会見に出られることを知っている。

だが、内部に入った途端、既得権益化し、むしろ筆者への攻撃を開始することで、記者クラブメディアへの忠誠を誓うようになる。

「もう、いいですよ。残念だが、日本ではいつものことだ。これが日本の記者クラブと外務省だ。トランプタワーで、ホワイトハウスで説明した通りでしょ。東京のホテルニューオータニのメディアセンターに戻って、◯◯と◯◯に連絡する(◯◯はホワイトハウスの担当者)。また別の国で会おう」

最後にやってきた米国政府の担当者にファーストネームを挙げて、英語でこう伝えると、彼女はとても驚いた表情を見せ、小声で「ごめんなさい」とつぶやいた。

駐車場までの約500メートル、筆者は両側を埼玉県警の警官に挟まれて逃げないように連行された。そして、自分のクルマに乗りエンジンをかけ、敷地内に出るまでずっと見送られた。

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