信号が青になり、普通に発進してから信号を過ぎたところの先に手頃なスペースがあったので、ウインカーを出して駐車しようとしたところで、激しいクラクションが鳴り続けた。
「なんだ!?」
後方の車のクラクションは、プーと鳴らし続けたまま、左側の窓を開けて、運転手が「てめー、このやろー、邪魔なんだよ!!」と叫んでいる。
「なんだこいつ・・・」
Aさんは一瞬、その運転手を睨みつけた。そのまま怒鳴って通り過ぎるものと思っていたが、この運転手は、真ん中の車線に車を停めて、クラクションを鳴らし続けて、怒鳴り散らし続けた。
Aさんの車は路上駐車の前後の車に挟まれている状態で、逃げ道がない状態。仕方なく、Aさんは車を降り、その車に近付いた。
ちなみにAさんは厚着の上からも分かるほど筋肉質な体つきをしており、坊主頭。
それでも、後方車両の運転手は全く動じず、クラクションを鳴らし続け、窓を開けて、「テメー、どこ見て走ってんだ!!」「ふざけんなこのやろー」と怒鳴り続けた。
この様子は、Aさんの車載カメラに録音状態であるが、前方を映すカメラであるため、対象車両などが撮影されている状態ではない。
Aさんは、「迷惑だから、やめろよ。」と言ったが、相手の男性はそれには全く応じなかったため、通報することにした。
警察官が到着するまでの十数分間、この男はクラクションを鳴らし続けていたというから、人集りができ、迷惑だと文句を言いにくる住人もいたし、この後方車両の男は3車線のうち、1車線を完全に塞いでおり、左のもう1車線は路上駐車がしてあるから、そのあとは交通渋滞が起きていた。
Aさんは、警察官に相手の車に触ったかと訊かれたそうで、それには、覚えていないと回答した。相手はドアを激しく開けられそうになったと主張したが、そもそも窓が開いている状態なのに、激しく開けようとするという意味がないので、全く取り合う必要もなかった。
ただ、一応の交通トラブルということで、その場で簡単な調書を取られたそうだ。
Aさんはその後、何もなかったかのように過ごしたが、相手がどう見ても弱そうなただの中年太りのおじさんであったのに、十数分間もクラクションを鳴らし続け、怒鳴り続けるという異常行動をしていたため、大丈夫なのだろうかという不安が残ったそうだ。