台湾の人気女優である林心如(ルビー・リン)が主演兼プロデューサーを務め、台湾文化部からの助成金2,000万台湾ドル(約6,700万円)を受けて製作された台湾ドラマ『我的男孩』が、去年末からオンエアされていますが、それについて中国のネットで批判が上がり、中国の動画サイトから完全削除されました。蔡英文の民進党政権下で助成金を受けたドラマは「台湾独立派の作品だ」ということで、クレームがあったことが原因とされています。
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以前にもこのメルマガで触れましたが、芸能界は政治の影響をとても強く受けます。特に中国のような一党独裁の国では、芸能界は政府の思いのままです。香港が中国に返還されてから、香港の芸能界も中国支持者しか活躍できないようになりました。記憶に新しいところだと、韓国、台湾、日本などの混合グループであるTWICEの周子瑜(ツウィ)が、台湾国旗を持って動画を撮影したことから、中国で台湾独立派だと糾弾され、謝罪に追い込まれた事件がありました。
また、最近では、中国の女優である趙薇(ヴィッキー・チャオ)の監督2作目となる映画『沒有別的愛』から、台湾の俳優戴立忍(レオン・ダイ)が台湾独立派とのレッテルを貼られ降板することになりました。本人は、何度も否定していましたが、中国では否定すればするほど盛り上がるようです。
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一方で、台湾の芸能界はその逆です。台湾の人気芸能人でも、中国支持を表明するとすぐにブーイングを受けるような、そんなムードがあります。
前述の林心如についても、台湾のネットでも批判が起きています。というのも、2016年7月、中国の南シナ海における領土権主張について、オランダ・ハーグの仲裁裁判所で中国の主権を認めない判決が示されましたが、林心如は中国版ツイッターで、中国支持を表明するスローガンをシェアした数少ない台湾人タレントの1人でした。そんな彼女に台湾政府からの助成金を受け取る資格はないと、ネットで批判されているのです。
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ほとんどの台湾人タレントは中国で活路を見出しています。そのため、中国で独立派だと糾弾されないように、その言動には異常なほど慎重になっています。中国人は、ネットを通じて台湾人タレントの揚げ足を取っては独立派だと糾弾して追い込みます。
そのうち、台湾が日本統治時代の文物を保存することにも中国人が口を出し、日帝支持だなどと騒ぎ出すかもしれません。せっかくの台湾政府の助成金が、中国の横やりで妨害されたり、無意味に終わってしまうことがないよう、警戒が必要です。
※本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2018年1月10日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。
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『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実』(2018年1月10日号)より一部抜粋