歴史文化を守ろうとする日本と台湾、政治利用で破壊する中国と韓国

 

国民党が台湾に入ってきてからは、ほとんどの古跡をつぶし、そのかわりに台湾各地の幹線道路に孫文や蒋介石の号である「中山」を冠した道「中山路」「中正路」と名付けました。さらに、蒋介石の銅像を台湾各地に4万5,000体も設置しました。これは、1キロメートル内に蒋介石の銅像が一基ある計算となります。古跡を破壊する中国人と保存する日本人のメンタリティ、心性の違いは、台湾の古跡をめぐって証明されたと言ってもいいでしょう。

台湾人は、中国人とは古跡を潰し歴史を捏造する民族かということを知りました。かつて中原を統一した満州人やモンゴル人が、すべての漢人を「家奴」(奴隷)にして、頭髪を辮髪に、服装は「旗服」(チャイナドレス)に改めさせたのは、いかにして中国人の「歴史捏造」をやめさせるかという考えからであり、満州人やモンゴル人の間では中国人の「歴史捏造」を改めようと「考証学が発達しました。

こうした歴史文化を徹底的に保存しようとする台湾と、歴史を根絶して捏造しようとする中国の対立は、文化摩擦や文明衝突を生み、現在の中台対立の一因となっています。それは本質的には「ウソの衝突です。

中国と台湾の文化をめぐる衝突は、主に19世紀中頃に台湾に入り、高雄や古都台南から全国に発展してきた台湾キリスト長老教会(スコットランド国教系)の背後にすでに潜んでいました。

台湾長老教会は現在では台湾最大のキリスト教教派となっています。そしてこの長老教会は、国民党による独裁と弾圧が続いた時代、1977年に「人権宣言」を発表して台湾人の権利確保を主張、中国人の国民党と対峙するようになりました。ここにも「誠」と「ウソ」の対立があるのです。台湾長老教会は、現在も台湾独立やひまわり学生運動も支持しています。

ところで、台湾は、独自文化の発信や台湾のイメージ向上にも力を入れており、その一環として映画やドラマ製作への助成台湾書籍の海外翻訳出版への補助を積極的に行っています。

文化部が台湾書籍の海外翻訳出版に補助金支給、申請受付中(~9/30)
映画製作の奨励

オリジナルコンテンツを世界に向けて発信する力がある国は、世界への影響力を持つことができ、その存在力を世界で示すことができます。台湾が求めているものは、まさにこれであり、そのためにコツコツと文化面への助成を行っているというわけです。しかし、ここでも中国と台湾の溝を象徴するような出来事がありました。

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