歴史文化を守ろうとする日本と台湾、政治利用で破壊する中国と韓国

 

台南市は台湾南部の古都として知られており、大都市である台北市とは対照的で、日本の京都を連想させる地域です。また、台南市は戦後になってから国民党軍の虐殺が行われた悲劇の都市としても知られ、歴代の市長たちは名勝古跡の保存にかなり力を入れてきました。

台南市は、台湾の古都として多くの古い資料を保存しています。私はかつて大学関係者とシンポジウムに参加し、縄文文化最南端の台南縄文文化の遺跡を見学したこともありました。

台南政府は、台湾を最初に統治したオランダ時代の遺跡「紅毛城」(ゼーランジャ)をはじめとした戦前までの古跡を、どのように保存するかにずっと腐心してきました。記録によれば、オランダ人が台南の安平港に築城する前に、すでに日本人村があったという説もあります。ただ、その後、その日本人たちがどこへ消えてしまったのかについて、司馬遼太郎は『台湾紀行』を執筆する前にかなり調べたということですが、今でも謎として残っています。

江戸の鎖国以前に、海外に進出し南洋に出た日本人は約10万人と推定されており、江戸の鎖国時代になると帰国することさえ禁止されていたため、南洋に出た日本人は各地の土となって消えてしまったのでしょう。

日本統治時代の建造物は、もともとの造りが強固であるため、いまでも多くの建物が保存されています。しかし、それでも修繕は必要で、古いものを保存しようとすれば修繕費の発生は必須です。それも少なくない金額が必要となります。蔡英文政権は、文化面にも力を入れているため、そうした予算はしっかりと確保しているということなのでしょう。

台湾にとって日本統治時代は重要な転換期でした。それを象徴する文物を、保存して後世に語り継ぐという作業は、台湾がどのような歴史を辿ってきたのかを語るために、また、台湾人のアイデンティティを形成するためにもとても重要なことです。今回の蒸気機関車の保存と展示にも、そうした意図があるから行われるのであり、決して単に観光地を増やしたいからというわけではありません。ただ、それが結果的に日台友好の証となり、絆を深めることにつながるならば、一石二鳥というものです。

台湾が発現した「歴史文化」の保存と継承について、日本人と中国人との考え方には大きな違いがあります。日本人は命をかけて保存」したいという心意気がありますが、対照的に中国人は目先の政治的都合に合わせて徹底的に破壊しつくして根絶させてしまうのです。この習性は大中華だけでなく小中華の韓国も同じです。韓国歴代大統領の交替も、「易姓革命」のように「更地の思想」を繰り返しているのです。

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