米軍基地による騒音汚染
騒音がもたらす健康被害は軍事基地周辺が最も深刻となります。米軍嘉手納基地の航空機騒音による心筋梗塞や脳卒中で、毎年4人が死亡しているとの推計結果も出ています。また、騒音で心筋梗塞や脳血管障害に罹患している患者も毎年30人に上るとしている。
夜間騒音が原因で、軽度以上の睡眠障害に罹患している嘉手納飛行場周辺の住民は約1万人いるとも算出されています。過去の騒音による高血圧の住民は1,000人いると見積もられています。
騒音汚染の専門家である北海道大学の松井利仁教授は「戦後70年が経過したことを考慮すれば、単純計算で約300人の命が失われたことになる。大規模な公害病だ」と述べています。米軍嘉手納基地の周辺住民が起こした嘉手納基地爆音差し止め訴訟で、松井教授から上記の推計結果が提出されています。
私は医学部を卒業してから約15年間沖縄県立中部病院で診療していましたが、高血圧、心筋梗塞や脳血管障害が中部地区の住民にかなり多いことに気づいてました。その原因の一部は本人の食事内容や運動不足による生活習慣の影響があるとは思います。
しかしながら、もしそれが米軍基地がもたらす騒音であるならば、これは患者の自己責任ではなく米軍と日本政府の責任になります。米軍と日本政府はその責任を認めて直ちに普天間基地と嘉手納基地を閉鎖すべきでしょう。
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