いじめの「学校調査」に闇。被害者の協力で探偵が突き止めた真犯人

2018.02.27
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本調査

さて、調査。

この場合、調査対象者は情報提供者の捜索ということになり、調査カテゴリーでは内偵調査を行うということになる。この手法はイレギュラーでありイリーガルな側面があるが、要は、こうした他人に行為を行わせるなどするいじめは、背後で様々なやりとりが通例あり、これらは主にLINEでやりとりされていることが多い

こうした情報を持つ者を特定し、その情報を提供してもらうのである。この提供については、情報所持者の同意がある条件以外、入手の方法は原則、私は問わない。

いじめに厳しい学校では、生活指導の担当やITに詳しい教員が立会い、生徒にスマートフォンを提供させる。

また、本件では、スカートなどにかかって色が落ちたという謎の液体がある。私がその色の落ち方を見る限り、漂白剤であろうと思えた。前後する話の様子からも、ツンとする臭いでプールなどの消毒よりもっとキツイ臭いとすれば、やはり漂白剤が思いつくだろう。

この成分などについては、別で調べることにして、学校教員らが、A子さんを犯人に仕立て上げた時に、どのように謎の液体をかけたのかという方法でA子さんのスカートや襟口、髪の毛などに液体がかかるか実験をして見る必要があろう。

学校の主張は再度確認してもらい、書面交付は拒否されたので、話を保護者に聞いてもらって、これを録音してもらった。

学校によれば、自ら持参した台所用の漂白剤はバケツに入れ、これを保健室のベットの上で、座った状態で頭から被ったということになっており、これは教育委員会にも報告済みだという。

バケツの深さはおよそ30センチ、円は直径24センチほどの一般的なバケツである。

事故物として挙げらていたのは、シーツ、パーテーション型の布カーテン、ベットマット、毛布、合皮製の枕の5点であった。

そこで、この事故物を確認することにした。

シーツは枕部分が少しかかっているようで、外形的変化はない。最もひどくかかっているのは、クリーム色のカーテンであり、1メートル80センチから2メートル20センチ付近に上から流れたような色落ちがあり、2メートル20センチ付近は、表裏共に色が抜けていた。

毛布は中央部以外に色は抜けた様子が見受けられた。

また養護教諭によれば、液体は廊下からA子さんがいるベットまで水滴が落ちた跡があり、辿ると、1階のトイレ横にある手洗い場まで続いていたそうだ。

次にバケツであるが、3階のA子さんらが使う教室、掃除用具入れの中にあったものが使用されている。

学級委員の女子生徒によれば、A子さんは3時限目と4時限目の間にカバンなどを持って1人でクラスを出て行ったということであり、その際、バケツは持っていなかった。

つまり、学校が主張する本人が周りの注目を浴びようとして、自作自演でこの凶行をするのであれば、一旦、保健室を抜け出し、クラスメイトらがいる廊下を通り、教室に入って、掃除用具入れからバケツを取り出し、1階のトイレ横までいって、密かに持参した台所用漂白剤と水をバケツに入れて、保健室に誰もいないことを確認してから、ベットに戻り、頭から液体を被って、たくさんの足音を立てて、色々な声色で爆笑して、再び黙ってベットの同じ位置に戻り、養護教諭が戻るまで待ったことになる。

目撃証言はなく誰もがそれはおかしいと首を傾げるA子さん犯行説。論理的思考がほんの僅かでもあれば、これを予想し、公に報告することはないだろう。

さて、このクラスでは、明らかにピラミッド型の人間関係が出来上がっており、その頂点にいる男子生徒と女子生徒がクラスを仕切っていた。何かの基準はないようだが、私が個別に色々な生徒から話を聞く限り、垢抜けた目立つ感じの子が上位に立つ傾向があるようだった。

いじめのクラス構造というのは、様々だが、大きく3つに分けることができ、いじめをする「加害者グループ」いじめの被害を受ける「被害者」いじめとは無関係を気取る「傍観者層」となる。この3つの属性の比率は、クラスの状態で変化するが、このクラスではグループ間の交流がほとんどなく、権力的力学はさほど働いていない状態であると思われた。

そこで、私はクラスメイトの中でいじめグループに関与せず、相関図としては、いじめグループと遠い人物を説得して回った。すぐに不審者情報で情報が出回ったようだが、私の説得に応じた子は、12人いた。

そして、バケツを持ち出した人物が冒頭でA子さんを蹴った野球部の男子生徒であるという証言が揃って出た。この男子生徒は、保健室に行き、バケツに入れた水をかけたことを認めたが、台所用の漂白剤がどれだかわからないという理由から、漂白剤は混入させていないことがわかった。

しかし、この男性生徒が自白したことで、事は急展開をはじめた。

全くマークしていなかった女子生徒が、自宅からペットボトルに入れて、漂白剤を当日持参していたことがわかったのだ。

学校からは他言無用と言われたそうだが、この女子生徒がA子さんのところまで訪ねてきて、A子さんと母に、事情を説明し、深く謝罪をした。

この女子生徒は、いじめの被害者3人がいなくなった後にいじめのターゲットとして狙われ始めており、その指示には逆らえなかったと証言した。

証言が出揃ったところで、私はNPO法人ユース・ガーディアン名義で調査報告書を作成し、これをA子さんに提出した。

この報告と調査活動は生徒らから保護者にも伝わり、学校は隠しきれない状況に陥って、ついに真の加害者に事情を聴取し被害者側に謝罪を求めた

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