前代未聞「森友文書改ざん」問題、新聞各紙がどう報じたか徹底比較

 

昭恵氏の喚問は是非もの

【朝日】は1面トップに2面、3面、4面に関連記事、7面は麻生氏への一問一答、12面と13面に全14文書の削除部分を全掲載、16面社説、17面は識者3人の見方(耕論)。38面にも識者(行政や司法の出身者)3人の意見、39面には官邸前のデモについて。まずは見出しから。

1面

  • 財務省 公文書改ざん
  • 森友「特例」経緯 削除
  • 14件 理財局指示 昭恵氏の名前も
  • 「佐川氏答弁に合わせた」説明
  • 首相謝罪「責任を痛感」
  • 麻生財務相 与党にも辞任論

2面

  • 削られた「昭恵氏」
  • 森友との接点を記載
  • 「前に進めて」とお言葉をいただいた
  • 「日本会議」も削除
  • 貸付当初から「特例」
  • 誰の指示・背景 なお不明

3面

  • 必死の責任論封じ
  • 麻生氏「一部の者が」
  • 官邸、財務相を擁護
  • 「国会欺いた罪 重い」
  • 野党、改ざんの経緯追及

4面

  • 「最強官庁」失墜
  • 不信の目 霞が関や政権に
  • 旧大蔵省から不祥事何度も

16面

  • 財務省の文書改ざん
  • 民主主義の根幹が壊れる(社説)

39面

  • 改ざん 怒りと不信
  • 官邸前デモ「責任押しつけ」
  • いら立つ麻生氏

uttiiの眼

《朝日》は“火付け役”だけあって、今朝の紙面には特別に力が入っている。最上段、横位置の大見出しは白抜き黒バックで「財務省 公文書改ざん」と大書していて、有無を言わさない印象。行政による大犯罪が行われたと天下に知らしめる勢いだ。

見開きの2面と3面も、同じく白抜き黒バックで、「必死の責任論封じ」(3面)と「削られた『昭恵氏』」(2面)が横に並べられている。次の段階の焦点を、「麻生氏の進退昭恵氏の国会招致」に見定めていることがここに顕れている。

特に昭恵氏については、この国有地取引に関与していたことを強く窺わせる記述が削除されていたことが確定した。「夫人からは『いい土地ですから前に進めて下さい。』とのお言葉をいただいた」との記述が、近畿財務局との打ち合わせで籠池氏が語った内容として書かれていたのだが、削除されていたのだ。安倍首相は昨年2月17日の衆院予算委で「私や妻が関係していたということになれば、首相も国会議員も辞める」と発言していて、「昭恵氏の関与」は「総辞職議員辞職に直結する。

《朝日》は慎重に、「削除部分は、昭恵氏による取引への明白な関与と言える記載ではなかった。ただ、学園と昭恵氏との関係を財務局が意識していた事実は消されたことになる」と言っているが、そこから先は、昭恵氏の国会での「証人としての証言」、あるいは参考人としての意見で確認していく必要がますます強まったということだろう。

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