官邸前に怒りの声が響く
【東京】は1面トップに2面の解説記事「核心」、3面関連、5面社説、7面に「改ざん報告詳報」、24面「こちら特報部」の「ニュースの追跡」、26面と27面にも関連。見出しから。
1面
- 森友14文書改ざん
- 「首相」「昭恵氏」削除
- 財務省公表 「佐川氏に最終責任」
- 麻生氏の名も
- 「昭恵夫人から いい土地だから進めて」
- 民主主義の根幹揺らぐ
- 「私や妻が関与なら首相も議員も辞める」
2面
- 消された「政治の関与」
- 「特殊性」「価格交渉」ごっそり
- 元財務官僚「佐川氏だけの判断か疑問」
- 佐川氏答弁に沿い 文書改ざん認める
- 菅氏「書き換え」と主張
- 「2種類の文書 認識」
- 会計検査院 「不自然と思わず」
3面
- 首相「国民におわび」
- 麻生氏「進退考えていない」
5面
- 国民を欺いたのは誰だ(社説)
24面
- 公文書改ざんの重さは?
- 識者「前代未聞」
- 「国民愚弄」「立件して解明を」
26面
- 動機曖昧 誰のため
- 理財局「自らの判断」強調
- 野党合同ヒアリング
- 麻生氏「一部の職員がやった」
- どんな罪に
- 一部削除で公用文書毀棄罪も
27面
- 怒りの「うそつくな」
- 官邸前 抗議のうねり
- 元シールズ 奥田さん呼び掛け
uttiiの眼
普段から見出しを多く出す傾向の強い《東京》だが、今朝は“火付け役”で完全フルスペックの《朝日》と比べても、勝るとも劣らない見出しの数と量になっている。1面記事のなかに、まず「『首相』『昭恵氏』削除」と縦に大見出しをうち、黒バック白抜きで目立たせた2行を紙面中央から左側に掛けて散らしている。その中身は「昭恵夫人から いい土地だから進めて」「『私や妻が関与なら 首相も議員も辞める』」。つまり、この文書改ざんをしなれば、昭恵氏の関与が白日の下にさらされ、安倍氏は退陣を余儀なくされていたということだ。そして、その連関は今も変わらない…。
もう一つ、見出しの2行目には、「財務省公表 『佐川氏に最終責任』」と“佐川氏に最終責任がある”という表現を括弧の中に入れ、距離を取っている。つまり、財務省の主張であって、事実、あるいは真実として確認されたわけではないということ。この丁寧さは重要。
官邸前でデモがあったことについて、《朝日》、《毎日》、《東京》の3紙は写真入りで伝えている。しかし、このデモをSNSで呼び掛けたのが元SEALDs(シールズ)の奥田愛基さんだと書いているのは《東京》のみ 現場でマイクを握って訴えている奥田さんの写真も掲載されている。
あとがき
以上、いかがでしたでしょうか。
ややこしい話を追っていくと、要するに「削除された部分」には「隠したかった事実」が書かれているのだという単純な意味を忘れてしまいがちです。起こったことはニュートラルな「書き換え」ではなく、不都合な事実を覆い隠すための改ざん、隠蔽工作だったということが、まず確認すべき事柄でしょう。
この改ざんを官僚機構による「忖度」犯罪と言うべきかどうかはまだ分かりませんが、2月17日に安倍氏が「私か妻が関与していたら総理も議員も辞める」と答弁したことと、「2月下旬から4月に掛けて改ざん」したことには関係があるとしか思えません。「忖度」と言いますが、安倍氏の答弁は、むしろ脅迫に近いものとして官僚諸兄諸姉に受け止められたのではないかと思います。
官僚とすれば、改ざんをしなければ、自分が安部晋三氏を首相の座から引きずり下ろし、議員辞職までさせたと言われかねないと感じ、悪事に手を染めたということでしょうか。勿論、もっと分かりやすい“政治の関与”があり、命令されたということかもしれませんが。
いずれにせよ、本当に大変なことになってきました。
また明日。
image by: 首相官邸