一流大学を出て一流企業に入れば勝ち。そんな洗脳が日本を滅ぼす

 

特に問題なのは、学校教育で、個性やクリエティビティよりも知識を重視した詰め込み教育が行われているため、ソフトウェア・エンジニアのような「一芸に秀でた人材を排出しにくくなっているのは、大きな問題です。中高では徹底的な詰め込み教育をし、その反動で大学に入ると遊び呆けてしまい、大学三年になると就職活動を始めてしまうようでは、今の時代に必要な人材は育ちません。「中学生の頃からプログラミングばかりして過ごし、高校卒業前にはウェブサイトを立ち上げたり、スマートフォンアプリをリリースした」ような学生時代の過ごし方を許すどころか奨励するような教育システムに作り変えなければならないのです。

同時代に作られた日本人の価値観・常識の中には、「市民活動とは左翼活動であり、一部上場企業のサラリーマンが関わるようなものではない」という政治的なものもあれば、「霞が関や一部上場企業で、上司に逆らわずに出世すれば、引退した後に天下りのポジションが待っている」のようなものもあります。特に後者は、日本の社会の隅々で寄生虫のように社会からエネルギーを吸い取る仕組みを作ってしまい、それが時代に合わせた変革を非常に難しくしているのです。

日本企業が安い労働力と勤勉な労働者を活用して、欧米の企業に「追いつけ追い越せ」とやっていた時はよかったのですが、80年代のバブルが崩壊し、90年代後半からコンピュータインターネットによる情報革命が始まった時に、このシステムそのものが機能しなくなったのです。

米国では、IBM、DEC、Motorolaのような旧態依然とした会社は次々に淘汰され、それに変わる、MicrosoftAppleGoogleFacebookAmazonのような会社が生まれて次の時代になりました、日本では、相変わらず東芝NEC富士通のような企業が、政府の公共投資や国策によりだらだらと延命されており、それが雇用規制と合わさって、人材の流動制を低くし日本版MicrosoftAppleなどの誕生を阻んでいるのです。

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