一流大学を出て一流企業に入れば勝ち。そんな洗脳が日本を滅ぼす

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技術力が高く、戦後の焼け野原から這い上がり、凄まじい勢いがあったかつての日本企業は、先進国からは恐れられ、発展途上国にとっては羨望の的でした。しかし、現在の日本企業はその勢いを失っています。歴史的に見ればわずかな期間のうちに、なぜここまで元気がなくなってしまったのでしょうか。メルマガ『週刊 Life is beautiful』の著者で世界的プログラマーの中島聡さんは、日本の時代遅れな企業体質と関連付けながら日本企業の衰退ぶりを自身のメルマガで分析しています。

なぜ日本企業は競争力を失ってしまったのか

先日、近所の家で開かれたパーティで、80年代に日本とビジネスをしていたというアメリカ人に昔は日本企業が輝いていたよね最近はどうしちゃったの?」と質問されて、少し困ってしまいました。このテーマは、私がメルマガやブログで色々と書いてきたテーマではあるのですが、パーティの席で一言で説明するのは簡単ではないのです。

とりあえずその場は、「戦後の高度成長期の成功体験が逆にアダとなって90年代後半から始まった情報革命に構造的についていけなくなったからだ」と答えましたが、それぞれの言葉には、とっても深い意味があり、本当はそれぞれをちゃんと解説しないと説明にならないからです。

まず「戦後の高度成長期の成功体験」の部分ですが、これは、単なる年功序列・終身雇用制だけではなく、「幸せは一流大学に行って、一部上場企業に努めてこそ得られる」「頭のいい人は、田舎にいるよりは都会に出るべき」「第一次産業よりは、第二次産業や第三次産業の会社でサラリーマンをすべき」などの日本人の価値観そのものに関わる大変革だったために、それを今更変えることは簡単ではなくなっています。

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