自動運転が起こした衝撃の死亡事故、未来はまだやって来ないのか

 

ただし、二つほど問題点もあります。まず一つ目は、道路が真っ暗なのにも関わらず、ヘッドライトがハイビームになっていなかったこと。公開された映像を見る限り、人間の運転手であれば、当然ハイビームにしていただろう場所ですが、にも関わらず、なぜUberの自動運転車がハイビームにしていなかったのかは、調査の対象にすべきでしょう。

現場の明るさと、ヘッドライトに関しては、より詳しいレポート(Police chief said Uber victim “came from the shadows” – don’t believe it )もあるので、興味のある方はお読みください。

二つ目は、万が一の時に安全を確保するために運転席に座っていたドライバーが、たぶんスマートフォンの画面でも見ていたのか、よそ見をしていたこと。自動運転車の運転席に座るほど退屈な仕事はないとは思いますが、こんな事故を避けるために乗っていたのにも関わらず、よそ見をして、結果として、死亡事故を起こしてしまった責任を問われる可能性は高いと思います。

ちなみに、一部のメディアは、このドライバーが犯罪歴を持つ人だったことを騒ぎ立てていますが、それはちょっと「品のない報道」だと思います。よそ見と犯罪歴にはなんの因果関係もなく、こんな時に「なぜUberは犯罪歴のある人を雇ったのか」などと騒ぎ立てることは、社会にとって何にも良いことはないと私は思います。

技術者としてもっとも興味があるのが、カメラを補う役目を果たすべきLIDAR(自動運転車の屋根に取り付けられている、レーダーを使った空間スキャナー)が、なぜ自転車の存在を把握できなかったか、です。

LIDARは、1秒間に数回転から数十回転する鏡を使ってレーザービームを周りに照射して、物体までの距離を測定しますが、走査型であるが故に、ギャップもあるし、自転車の車輪のようなスカスカのものからはレーザーが反射されて来ないので、認識できない、という欠点もあります。LIDARがたまたま走査している高さが車輪の高さで、LIDARにも映らないままに自転車が近づいて来てしまった、という可能性も十分にあると思います。

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