いよいよ本気出すトランプ。日本は米中貿易戦争に巻き込まれるか

 

3. トランプ大統領就任時の演説抜粋

本日の式典には、とても特別な意味があります。なぜなら、ひとつの政権から別の政権へ、または、ひとつの政党から別の政党へ、単なる政権交代をしているわけではなく、ワシントンD.C.から国民である皆さんへ、政権を取り戻しているからです。

あまりにも長い間、ワシントンにいる一部の人たちだけが、政府から利益や恩恵を受けてきました。その代償を払ったのは国民です。ワシントンは繁栄しましたが、国民はその富を共有できませんでした。政治家は潤いましたが、職は失われ、工場は閉鎖されました。権力層は自分たちを守りましたが、アメリカ市民を守りませんでした。彼らの勝利は、皆さんの勝利ではありませんでした。彼らは首都ワシントンで祝福しましたが、アメリカ全土で苦しんでいる家族への祝福は、ほとんどありませんでした。

(略)

何十年もの間、私たちはアメリカの産業を犠牲にし、外国の産業を豊かにしてきました。他の国々の軍隊を援助してきました。一方で、アメリカの軍隊は、悲しくも枯渇しています。私たちは他の国の国境を守っていますが、自分たちの国境を守るのを拒んでいます。海外に数兆ドルを投資しましたが、アメリカのインフラは絶望に陥り、腐っています。他の国々を豊かにしましたが、自国の富、力、自信は、地平線のかなたへ消えて行きました。ひとつずつ、工場が閉鎖され、この国を去りました。数百万人のアメリカ人労働者が置き去りになることなど考えもしないで、そうしたのです。中間層の富が、その家庭から奪われ、世界中に再分配されました。

(略)

貿易、税金、移民、外交についてのすべての決定は、アメリカの労働者と家族の利益のために下されます。他国の暴挙から国境を守らなければなりません。彼らは私たちの商品を生産し、私たちの会社を盗み、私たちの仕事を破壊しています。保護こそが偉大な繁栄と力に繋がるのです。

(略)

私は全力で皆さんのために戦います。決して失望させません。アメリカは再び勝利します。これまでにない勝利です。雇用を取り戻し、国境を回復し、富を取り戻し、そして、夢を取り戻します。

(略)

私たちは2つの単純なルールに従います。アメリカ製の商品を買い、アメリカ人を雇うことです。世界の国々と友好的な善意の関係を築きますが、すべての国には自国の利益を優先させる権利があることを理解した上で、そうします。

(略)

今、行動の時が来ています。それはできない、と言うのはやめましょう。どんな課題も、心を開き、戦い、アメリカの精神を持てば、乗り越えられます。失敗することはありません。私たちの国は再び繁栄し、栄えるでしょう。

大統領就任時の演説をトランプ革命の宣言書と見るべきでしょうね。

4. 自動車の貿易制限

そして、中国の貿易制限は交渉を待つことになるが、トランプ大統領的には中国との問題は、解決できて終わっている。中国が米企業の中国での活動制限と米国の輸入制限品目に米企業の製品名が出ることで、米企業は生産を米国に戻すからだ。

大豆の輸入制限で、米農家はあまり困らない。現在、一方的な貿易であり、中国が10兆円の貿易赤字削減を実行できないときは、貿易制限を行うだけである。関税という税金も手に入ることになる。

このため、トランプ大統領の頭は、次の貿易政策に移行している。日本とドイツをターゲットにした自動車輸入制限処置である。輸入自動車の環境基準を厳しくするというが、ドイツや日本の内燃機関の自動車を締め出すことになり、電気自動車しか輸入できないようにすることのようである。

この処置で、日本の自動車メーカーはすべて米国生産車を米国で売ることになる。マツダと富士重工の米国工場は増強する必要がある。差別化されているドイツの高級車は関税UPでも売れ行きは、あまり違わないので、放置。

そして、日本の米国への輸出品の多くが、他国企業とは差別化されているので、多くの品目は輸入制限されても放置するべき。そして、差別化できていない品目は米国生産にすることだ。

このような貿易制限では、一番、米企業が影響を受けることになる。日本企業はすでに、米国生産を軌道に乗せているので、影響が少ない。

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