家より旨い。カップ麺を外食にしたLaoxグループの巧みな戦略

MBA20180411
 

立ち食いそばに牛丼、ハンバーガーなどなど、世の中にファストフード店は数多ありますが、今回の無料メルマガ『MBAが教える企業分析』で著者のMBAホルダー・青山烈士さんが取り上げているのは、日本が誇るカップラーメンを専門に扱う新発想の店舗、その名も「3ミニッツキッチン」。お湯を注いで3分で食べられる、まさに「究極のファストフード店」の戦略・戦術、一体どんなものなのでしょうか。青山さんが詳細に分析しています。

新しい食べ方の提案

カップラーメン専門店として注目を集めている店舗を分析します。

● ラオックスグループが展開している「3ミニッツキッチン

戦略ショートストーリー

カップ麺が好きな方をターゲットに「カップ麺へのこだわり」に支えられた「種類が豊富で選ぶのが楽しい」「美味しい」「安い」等の強みで差別化しています。

ご当地カップ麺やオリジナルカップ麺に加えて、様々なトッピングなどを通して、カップ麺を楽しむことができる場を提供することで顧客から支持を得ています。

■分析のポイント

新しい食べ方の提案

「3ミニッツキッチン」の取り組みで新しいチャレンジだと思うのが、外食の選択肢の一つとして、カップ麺を提供していることです。最近はコンビニのイートインコーナーで食べることもできますがカップ麺を食べる場所のメインは、家の中ですからね。

ラーメン好きな方であれば、カップラーメンを食べる方も多いと思いますが、外で食べるときは、ラーメン専門店を選ぶでしょう。ですから、顧客に外食でカップ麺を食べたいと思ってもらうには多少ハードルがあるということです。

このハードルを越える、つまり、カップ麺が外食の選択肢のひとつになるためにポイントなるのが、ファーストフード化の推進だと思います。「3ミニッツキッチン」という店名にも表れていますがカップ麺の特徴のひとつはお湯を注いて、すぐ3分後に食べられるということです。

そして、もうひとつの特徴は、低価格です。この「すぐに食べられる」、「低価格」という二つの特徴を兼ね備えた業態として思い浮かぶのが、ファーストフードの最大手であるマクドナルドや牛丼チェーンなどですね。

つまり、「3ミニッツキッチン」はファーストフードの特徴を備えているということです。

この特徴を活かすために「3ミニッツキッチン」はファーストフードのような取り組みをしています。例えば、ドリンクとのセットメニューの提供ですね。これは恐らくファーストフードから取り入れていると思われます。

このようにファーストフードの良いところを吸収することで、「3ミニッツキッチン」がファーストフードとして顧客に認知されれば、ありそうでなかった新たなファーストフード業態としてさらに注目を集める可能性があると思います。

また、「3ミニッツキッチン」はただ、カップ麺にお湯を注いで提供しているわけでなくさまざまなトッピングや調味料を用意することでカップ麺をより美味しく食べる方法も提案しています。

家で食べる際にトッピングを付けて食べる方もいるとは思いますが、用意するのが手間ということもあり、トッピング無しでそのまま食べる方も多いと思います。そして、家で、これだけのトッピングを用意するのは大変ですからね。

要するに、「3ミニッツキッチン」は外食としてカップ麺を食べるトッピングを付けて食べるという新しい食べ方を提案しているわけですね。

今後、「3ミニッツキッチン」が世の中にどのように受け入れられていくのか、注目していきたいです。

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