大統領就任4期目に突入。なぜプーチンはこんなにも人気なのか?

 

強化される制裁、ボロボロの経済

勝利をつづけるプーチンですが、ジワリジワリと追いつめられています。なぜ? ロシア制裁がますます強化されているから。もともとは、「クリミア併合」が理由だった。しかし、現在では、

  • ロシアがアメリカ大統領選に介入したこと(ロシアは否定)
  • ロシアが、元諜報員スクリパリをイギリスで殺そうとしたこと(ロシアは否定)
  • ロシアが国家ぐるみでドーピングをしていたこと(ロシアは否定)

などなど、さまざまな理由が「制裁強化」の口実に使われ、非常に苦しい状態になっています。

少しデータを見てみましょう。ロシア、プーチンの1、2期目(00~08年)は、年平均7%の成長をつづけていました。では、プーチン3期目(12~18年)は?

  • 12年、3.7%
  • 13年、1.8%
  • 14年、0.7%(この年、クリミア併合、対ロ制裁はじまる)
  • 15年、-2.5%
  • 16年、-0.2%
  • 17年、1.55%

17年は、原油価格がバレル30ドル台から60ドル台まで倍増したためプラスに転じた。しかし、1~2期と比べると、「メチャクチャ悪い」ことがわかるでしょう。

2016年時点でロシアのGDPは1兆2,807億ドルで世界12位。これは、韓国(11位)よりも下です。そして、一人当たりGDPは、8929ドルで世界71位。平均年収が90万円(!)強というのは、実に厳しい。ロシアの経済的苦難を示すこんな話もあります。

ロシア軍事費、20年ぶりに減少 経済的苦境が影響 CNN.CO.JP 5/6(日)16:59配信

 

ロシアの軍事費が過去20年で初めて減少を示した。ロンドン(CNNMoney)軍備管理研究などの団体「ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)」は6日までに、ロシアの昨年の国防費は3.9兆ルーブル(約6兆6,300億円)と2016年比で17%減少したと報告した。

軍事費が前年比で、17%減少! それでも6兆,6300億円で、5兆円の日本よりずいぶん多いです。GDP比では4.3%。日本の防衛費は、GDP比で1%ですから、ロシア「かなり無理してるな」とわかるでしょう。

景気がちっとも上向かないということで、もちろん国民の不満も高まっています。それで、5月5日には、ロシア全土で、「プーチンは皇帝ではない!という反体制デモが起こりました。

著名ブロガー呼びかけ、露各地で反プーチンデモ 読売新聞 5/6(日)14:23配信

 

【モスクワ=畑武尊】3月のロシア大統領選で圧勝したプーチン大統領の就任式を7日に控え、就任に反対するデモが5日、ロシア各地で行われた。人権団体は、全土で1,200人以上が警察に拘束されたとしている。大統領選への出馬が認められなかった著名ブロガーのアレクセイ・ナワリヌイ氏が呼びかけたもので、モスクワ中心部には数千人が集結。「プーチンなきロシアを」「彼は我々の皇帝ではない」などとシュプレヒコールを上げた。プーチン氏支持者とデモ隊が小競り合いになる場面もあった。

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