保育園や幼稚園帰りに「今日何したの?」と聞いてはいけない理由

 

4.スキ

家の中でも外でも、1人でも他の子と一緒でも、いつでも言えることですが、「親が見ていない“スキ”」というのも、大切な「子どもの領分」です。

こっそりやりたいこと─悪いこととはうすうす分かっているけどやってみたいこと─があると、子どもは親が見ていない隙をついてやるものです(スキがあれば必ず悪事を働くわけではありません、念のため…笑)。

もちろん褒めるような話ではありませんが、悪いことをしている時ほど知性・感性がフル回転集中力も注意力も最大限に発揮される瞬間は、他にはめったにないことも事実です。

その意味においては、子どものを伸ばすための最高のトレーニングとも言えてしまうのです(苦笑)。

親として気に留めたいのは、まずそういった“スキ”を作ってあげること。「きちんと見守る」ことと矛盾するのでサジ加減は難しいですが、子どもの年齢と意欲(=自分から親のそばを離れて行動する)の度合いに応じて、徐々に広げていってあげたいものです。

加えて、“スキ”時間の間は何を見ても「見て見ぬフリを徹底すること。その間のできごとは、何日・何か月経っても話題にしてはいけません。でなければ、“スキ”が“スキ”でなくなってしまいます。

中には「悪いことを『悪い』と教えなくていいのか?」と懸念される方もいるかも知れません。

でも、ご心配なく。

悪いと分かっているから親が見ていない時にやっているんです(笑)。むしろ、相反する思いの間で折り合いをつける練習をしている、と理解してあげてください。つまり、頭で分かっている「悪い」と腹の中でうずく「やってみたい」との間で気持ちが揺れ動きながらも、「この程度だったらオオゴトにならなくて済むかな」という線を見つけ出して、一度こっそり体験してみる、そんな形で子どもなりにうまく収まりをつけているのだと私は思います。

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