不穏な米朝会談、背後にうごめく各国の思惑を国際調停のプロが解説

 

では日本はどうなのでしょうか。軍事的なオプションを持たない立場としては、とてもよくやっているかと思いますが、現時点では、対北朝鮮のアプローチは、アメリカと韓国経由であり、直接的な影響力が行使できず、非核化の話し合いにも拉致問題の提起もできていない様子です。一応、日朝外務大臣会合などの開催を打診し、水面下で事務的に準備中との情報もありますが、北朝鮮をめぐる国際情勢において主導的な役割は果たせていません

明るい情報としては、来週の米朝首脳会談に向けて、日本の外務省からも幹部がシンガポール入りしているとのことで、米朝からは発表されることがないだろう拉致問題について、何か進展があったか、国内向けにアピールできることに加え、米朝はもちろん、中ロに対しても、一定の存在感は示すことができるかもしれません。

ちょうど、米朝首脳会談を前に、安倍総理がワシントン入りしてトランプ大統領と直前の打ち合わせを行っていますが、日本としてどう振舞うのかをはっきりと発信する最後のチャンスかもしれません。そうでないと、トランプ大統領が勝手に述べたように、北朝鮮への経済的な支援は日本や韓国中国が行うというパターンに収まってしまい、主導権は握れないまま、血税を投入したにも関わらず、肝心の拉致問題では進展なし、という地獄のようなシナリオにはまり込む可能性があります。

いよいよ6月12日に米朝首脳会談が開催されます。どのような成果があり、その後、どのようなプロセスがスタートするのか、しっかりと追っておきたいと思います。出来る範囲で、このメルマガを通じ、情報提供できればと思います。

読者の皆様からのご意見や反応なども募集いたします。

image by: Flickr

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世界各地の紛争地で調停官として数々の紛争を収め、いつしか「最後の調停官」と呼ばれるようになった島田久仁彦が、相手の心をつかみ、納得へと導く交渉・コミュニケーション術を伝授。今日からすぐに使える技の解説をはじめ、現在起こっている国際情勢・時事問題の”本当の話”(裏側)についても、ぎりぎりのところまで語ります。もちろん、読者の方々が抱くコミュニケーション上の悩みや問題などについてのご質問にもお答えします。

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