イオンもヨーカ堂も赤字低迷。何が総合スーパーを殺したのか?

 

総合スーパーが苦戦している一つの要因として「衣料品の不振」が挙げられます。先述したとおり、ヨーカ堂が減収になったのは衣料品の不振が大きく影響したためです。

ヨーカ堂の17年度の衣料品売上高は前年度比9.2%減と大きく落ち込みました。イズミの衣料品売上高は3.6%増と増収でしたが全社売上高の伸び4.0%増よりも低い状況です。中部地方が地盤のユニーは3.1%減、滋賀県が地盤の平和堂は3.4%減、近畿地方が地盤のイズミヤは10.4%減となっており、各社で大きな落ち込みを見せています。イオンは不振に陥った総合スーパーの衣料品部門を専門会社として分社化することで立て直しを図る方針を示しています。

こうした状況を反映するかのように、家庭の衣料品に対する支出は減っています。総務省発表の家計調査によると、被服及び履物の2人以上世帯の1世帯当たり消費支出は17年が13万7,673円で、10年前と比べると16.5%減っています。ファストファッションの普及が進んだことで衣料品の価格が低下したほか、消費の多様化で衣料品の支出を減らして衣料品以外の支出を増やす消費者が増えたことなどが影響しました。そうしたなか、ゾゾタウンなど衣料品ネット通販が台頭したことなども影響するようになり、総合スーパーでの衣料品販売が苦戦するようになったのです。

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ネット通販市場は大きく拡大しています。経済産業省によると、17年の物販の電子商取引(EC)の国内市場規模は前年比7.5%増の8兆6,008億円で大きく伸びています。物販のうちネットを介して売買される比率は5.8%で年々上昇しています。アマゾンや楽天市場、ロハコといったネット通販で物を買う人が増えており、総合スーパーから客を奪っているといえるでしょう。

総合スーパーは軒並み苦戦する一方、食品スーパーは好調です。イオン傘下のマックスバリュは地域会社が6社ありますが、17年度の売上高は6社中4社が増収でした。首都圏を地盤とするマルエツとカスミ、マックスバリュ関東の3社が共同で設立したユナイテッド・スーパーマーケットHDが前年度比1.1%増の6,922億円、近畿・関東地方が地盤のライフコーポレーションが3.8%増の6,777億円、北海道・東北地方が地盤のアークスが0.3%増の5,139億円と多くが増収を達成しています。

生活する上で欠かすことのできない食品は衣料品などと比べて需要が安定的であり、また、商品の特性上ネット通販に代替されにくいという側面があります。

ドラッグストアとの競争も激化しています。経済産業省発表の商業動態統計によると、16年のドラッグストアの販売額は前年比6.8%増の5兆7,258億円でした。17年度の大手各社は軒並み大幅増収を達成しており、ウエルシアHDが11.6%増の6,952億円、サンドラッグが6.8%増の5,642億円、マツモトキヨシHDが4.4%増の5,588億円、スギHDが6.1%増の4,570億円、ココカラファインが3.6%増の3,909億円となっています。ドラッグストアは医薬品はもちろんのこと、日用品や食品の品ぞろえも強化しており、総合スーパーの大きな脅威になっています。

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