ゴミの分別ほどバカバカしいものはない…武田教授が明かす3つの悪

 

先日掲載の「日本は温暖化対策をもうやめよう。武田教授が明かす不都合な真実」では、「温暖化対策をやめれば消費税を廃止できる」との持論を展開し好評を得た、中部大学教授の武田邦彦先生。今回は自身のメルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』で、「環境によく、負担する税金も減るもっともよいゴミの出し方」を紹介。さらに現在行われているゴミを巡る行政がいかに酷いものかを糾弾しています。

ゴミ分別の3悪「役立たない、資源の無駄、責任を住民に」

男女共同参画と言われて久しいけれど、家庭のゴミを把握しているのは圧倒的に女性で、男性はせいぜい「出かけるときにゴミを出してきて!」と厳しく言われてイヤイヤ出すぐらいが関の山です。そして、女性の多くは社会全体を見ることができないので、自分の目の前にあるゴミは社会的にどのぐらいの影響があるかは判断できず、さらにまじめな性質で世間を気にするので、ゴミ出しに気を遣っています

もともと、ゴミなのですから何でもかんでも袋や段ボールに入れて出せばよいのですが、20年ほど前「分別リサイクル」が始まり、ゴミを洗ったり、分別し、袋も専用になり、ひどい自治体では「名前を袋に書いて出すところまであらわれる始末です。

自治体というのは「住民のためのサービス」をするために存在するもので、そのために住民から税金を徴収しています。でも、その自治体が「住民が気楽に生活する」というより、国連が話題にするような「地球環境」や「取引業者の都合」が先に立って、住民に過度に負担を強いる例が増えています。

まず、整理する前に「事実」を示します。

  1. 日本列島で一年に消費する資源は合計約20億トンで、質量保存則があるので、そのすべてがゴミになるのですが、家庭からでるごみは5,000万トン、つまり40分の1しかない。
  2. 「ゴミも分別すれば資源」というのはまったくのフェイクで、ゴミはすでにエントロピーの高いものなので、分別して使うと余計に資源を使う。学問がわからないからと言って余計に資源を使うのは許されない。
  3. ゴミの分別、回収、再利用は、家庭、自治体、業者がそれぞれ責任をもってやるようになっているが、現実にはもっとも弱い住民が「タダで苦労する」という状態、自治体は「給料をもらって10分の1ぐらいしかしない」、そして業者は「儲ける範囲でしかしない」が現状。

つまり、ゴミの分別やリサイクルは、「役立たない資源の無駄責任を住民に」という3悪なのだが、それが社会で認識されていないのは、官庁や利権に弱いNHKやメディアが事実報道をしないことによるのです。

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