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臨床心理士が伝授、ビジネスのバイブル『7つの習慣』の活かし方

仕事の質や収入が思ったとおりに上がらないと、自分の効率が悪いのではと落胆したり、達成感が得られず不満が残るものです。今回の無料メルマガ『生きる!活きる!『臨床力』』では著者で獣医師と臨床心理士の資格を持ち、大学で教鞭も執られている渡邊力生さんが、自身の経験を紹介し、重要で緊急な仕事をスピード重視でこなすことが第一と力説。さらに仕事を区分け、こなす瞬発力がついてくれば自尊心の毀損から開放されるとした上で、その方法を記しています。

私のプチプチ働き方改革

多くの方がご存知だと思いますし、およそビジネスや営業というものに携わっておられる方はほとんどがお読みになられているか、それを参考にされたセミナーを受けたことがおありではないかと思います。

●『7つの習慣』スティーブン・R・コヴィー 著/キングベアー出版

私がこの本を手にしたのは30代半ばになってから。読んだことがなかったどころか、メルマガ『平成進化論』を読んで初めてその存在を知ったという始末です。ビジネスマンとしていかに遅れをとっているか、恥ずかしいこと極まりありません。

その中でも特に有名なのが『領域の考え方。「重要事項を優先する」の章の話ですね。ほんのちょっと前の私のように、そんな話は初めて聞いた! という方がもしいらっしゃいましたら、私がその話を詳しく説明するよりも以下のサイトを参考にしていただいた方が断然分かりやすいと思いますので、そちらに譲りたいと思います。

『フランクリン・プランナー』のHP

私にとってはもう本当に、人生が変わる出会いの一つになった本であり考え方になりまして、それ以降、自分の仕事を「重要度緊急度」の二軸の座標の中に振り分けることを意識してきました。それによって、自分がそれまでいわゆる『第一領域』のことに頭の中を占領されてきたということ、そしてそれが【生きるということ】だと定義して人生を歩んできたことに気づきました。

そこからしばらくして停滞期に入り…、第二領域という言葉は知ったことで気づきはあり仕事の仕分けも少しはできるようになりましたが、仕事の質が向上する、目に見える一つの指標としての収入増といった結果がどうも伴わないという時期が長く続きました。『7つの習慣』の書籍自体も、書棚を温める時期が長く長く続きました。

そんなながーい潜水期間を経て、ある時にメルマガ『平成進化論』で発行者の鮒谷さんが…、

第二領域以外のことは仕事と定義しない

ということを書いておられるのを目にし、また立て続けに音源でも同じことをおっしゃっておられるのを耳にし、私はガツンと頭を殴られるような感覚を味わいました。

いつのまにか、自分が数年前に体験した感動も忘れ、形式的には自分の仕事を仕分けて効率的に仕事ができていると思っていただけで、自分が掲げている目標に一歩も近づいていないままだったからです。

これはいかん。

私は自分にとっての【第二領域にあたること】を洗いざらいピックアップし整理しアプリで管理するという手段をとりました。さらには第一領域、第三領域も整備して、頭の中をクリアにしようとしました。おかげで、「重要度緊急度という二軸での思考パターンが復活することになります。

そして「すべてにおいて第二領域を優先する」という大号令を自分の中では発令し徹底しました。アプリも比較的有効に使え、我ながらここでは徹底度が高かったと振り返ってみても思います。

その結果どうなったか。

渡邊の仕事の質は上がったのか。

収入も上がったのか。

残念ながらどちらも上がりませんでした…(涙)。

むしろ仕事の質も量も、すなわち能率も下がり、自尊心も下がっていきました。何が問題なのか…。それが分からないまま数ヶ月、いや下手をすれば1年以上が経過してしまっていたかもしれません。

ある日ふと思いました。第一領域のことを第二領域より優先してみたらどうだろう、と。

結果的にはこれが当たり、でした。少なくとも私にとっては(フランクリン博士の教えには従っていないかもしれませんが…)。

自分が『第一領域』に振り分けたことをまず優先して片付ける。すなわち重要度も緊急度も高いものから手をつけるようにしました。ただそこは質よりもスピード重視。とにかく仕上げる、遂行することに集中しました。

ひっきりなしに入ってくるメールにも極力フラッグを立てず、とにかく返信することをこころがけました。ですから1日が第一領域のことをこなすことで終わることもありましたが、それもそれで良しとしました。

それによってどういう状況が訪れたか。

まず劇的な変化が訪れました。その日の仕事を翌日に持ち越すことがなくなったんですね。これは自分にとっては大きな驚きでした。実は自分では日をまたいで仕事を持ち越しているという感覚がなかったからです。

ただ単にそれは、持ち越していないように自分に見せるための小細工をしてただけなんですね。詳しくは書きませんが、そういうところはスマホアプリの罠かもしれません。デジタルというのは物理的に積み上がっていく書類と違い、簡単に脳がダマされてしまうのです。

仕事を持ち越さなくなったことで、達成感があるというよりも自尊心の毀損がやみました。仕事を持ち越すということは、無意識のうちに毎日毎日自分に欠点をつけているようなものだったのです。毎日毎日不合格。そんな人間が、自分の仕事の価値を自分で認めてあげることなんて不可能です。

そして第一領域をスピードを上げて解決するのは、第一領域をすべて終わらせて第二領域に取り組む時間をつくるため、というふうに言語化して自分の中で落とし込むことで、【第二領域自分の目標に直結することに時間とパワーを使うということがより意識化されるようになり、自分の目標に対する捉え方というか、自分の中での目標の位置付けもより高くなったという感覚があります。

さらには、第一領域を「重要で緊急度が高い」と判断した自分自身の判断力にも自信を持てるようになりました。それを言語化することにもつながったと思います。

そうすることで、心おだやかに、本を読んだり、こうしてメルマガを書いたり、日々の仕事とは次元のことなる仕事ための準備をすることができるようになったわけです。「第二領域を優先しよう!」としていた頃には全てが中途半端というか、片手間に、空き時間をみつけてやっつけ仕事的に第二領域のことにとりかか「フリ」をしていただけだったのだと思います。

今日書いたことは早くメルマガにしたいと思っていたことなんですが、なかなか活字にすることが自分のなかではできませんでした、ようやく言語化することができました。言語化ができたという達成感も、自分の中では第二領域の一つだったんだなと、ここまで書いていて気づきました。

ここのところ。「言語化」というテーマについても、最近の自分の中ではまた大きな気づきの一つですので、稿を改めて書きたいと思います。

それではまた!Ci vediamo!

image by: Shutterstock.com

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「臨床」という言葉は、人が横たわる床や寝台というギリシア語をルーツとし、元々は宗教的な言葉として用いられていました。それが医療、心理学、教育の世界でも用いられるようになり、徐々に「現場」という意味合いが強くなってきました。  しかし現場というのは何も医療などの専門的な分野に限ったことではありません。人が人に出会う場面は全て「現場」であり「臨床」であると言えます。様々な場面で「生きる」方にとって「活きる」知識や気づきを提供する、すなわち「臨床力」のヒントとなるようなメルマガを目指します。

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【著者】 渡邊力生 【発行周期】 ほぼ 日刊

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