そしてこの3つの惑星に、月が次々と近づいて行きます。月は毎日、形を変えつつ、見える位置も変わります。少しずつ東にずれていきます(見える時間が遅くなっていく)。まず20日の上弦の月は西の空で木星と近づきます。翌21日は木星より東よりに見えています。次は南の空の土星。満月近くになった25日頃に、土星に近づきます。
満月は28日ですが、27日、28日は南東の空で火星に近づいて見えます。月が大きくなるにつれて明るくなるので、どうしても星が見えにくくなります。それでも明るい惑星だけははっきり見えますので、月と惑星の接近はとてもよく目立ちます。
木星・土星・火星の3つに近づいていくのでどれか1回はその眺めを楽しめそうですね。一番近くのが月と土星なのでその時こそ見てみたいなあと思っています。
そして「満月」に起こるもう一つのイベント。それが「皆既月食」です。
満月は、地球から見て、月が太陽の光を真正面に受けている時ですが、完全に一直線になってはいません。それが一直線になると「皆既月食」が起きます。
今回の皆既月食は、日本ではちょっと条件が悪いので気軽に見られるというわけではないのですが…、それでも前回の1月31日の皆既月食が悪天候に阻まれてしまったので、リベンジしてみたい方はぜひ。
部分食が始まるのが3時24.2分。そう真夜中すぎなのです。皆既月食は4時30分。日の出直前と言っていい時間帯です。ということは,逆に月は沈みかけの時刻。すっかり沈んでしまっている北海道では残念ながら皆既月食を見ることはできません。東北以西で見られる…ということになっていますが、西に行けば行くほど条件はよくなっていきます。
東京だと,皆既月食後20分ほどで月が沈んでしまいます。京都で37分。福岡だとなんと1時間の余裕があります。それだけ皆既月食が始まった時に月の高さもあるわけですから、見やすくなりますね。東京あたりではよほど西の空が低いところまで見渡せるところでないと,建物などで月が隠れてしまいます。
なんとなく「日本は南北に長い」というイメージがあると思いますが、こういう時には「東西にも差があるんだな」と感じますね。
28日は土曜日なので、お休みの方は、いっそ早起きして見るか、あるいはそのまま夜更かしして徹夜モードで皆既月食を見るか…。近くに火星も見えている中での皆既月食。赤銅色の月と赤い火星。見てみたい気はやまやまですが、さて??
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