1円硬貨の鋳造には14円、10円硬貨には42円かかると言われ、逆に50円硬貨は20円で10円硬貨よりコスト高なんて話、聞いたことありませんか? 今回の無料メルマガ『アリエナイ科学メルマ』では、著者で科学者のくられさんが、「話のネタ」としてみんなの興味を引くこと間違いなしの「硬貨の材質」に関する豆知識について詳しく解説しています。居酒屋で後輩に話せば「へえ」と言ってもらえますよ!
硬貨って何で出来てるのか?
世界にはそれこそ数多の金属がありますが、そこら辺にイットリウムが転がっていたり、ユーロピウムが硬貨に使われていたりすることはありません(笑)。いわゆる汎用金属というものがあるわけです。
今回はせめて財布の中の金属がなんなのかをネタにしてみました。飲みの席で話題になればw
1円玉
アルミニウムです。直径が1センチ丁度で1gに調整されていることは知っておくとなにかの物差しになります。アルミは軽くて丈夫な金属で、地殻にも非常に多いのですが、酸化物から酸素をはぎとって金属にするのがすさまじく大変なので、腐食しにくい金属なので、リサイクルが重要な金属でもあります。
5円玉
銅と亜鉛の合金の真鍮というもので、金色の金属ですが、すぐにさびて表面がくすんでしまうので金とは全然異なります。比較的堅いので南京錠なんかにも使われてます。
10円玉
純銅…かとおもいきや亜鉛が4%、スズが1%程度含まれた「青銅」というやつです。社会の教科書で習う「青銅器」の青銅です。とはいえ大半が銅なので、銅と思っても差し障りないですが、純銅はかなり柔らかい金属なので、硬貨として摩耗性を高めるため青銅にしてるのです。
50円玉・100円玉・500円玉
ちょっとマニアックな金属で、銅とニッケルで銅が70%の白銅という合金です。ニッケルは非常に堅い金属ですが、あまりニッケルの含有率を上げすぎると堅すぎて、ほかの硬貨を削ってしまうので、堅さを調節するために、合金の割合が調整されています。50円と100円は同じ素材ですが、500円玉は亜鉛がさらに含まれるため質感がちょっと違います。
財布から目を離し、世界を見るとそれこそ無数の金属が使われています。とはいえ、身の回りに最も多いのが鉄。鉄もクロムなどと合金にしてステンレスというものになると、磁石につくもの付かないものなどがあるので、鉄は磁石につく…というので覚えていると間違います。
鉄、アルミニウム、銅、真鍮、さらに金、銀くらいの区別がつけば、普通は困ることはありません。
素材がわかれば「さびるさびない」が分かりますし、そうなると入れてよいもの、よくないもの、保存方法、さび落としの方法などが「物性科学」的に見えてくるわけです。
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