間違いやすい言葉 「とくい」
「とくい」には「得意」と「特異」の2通りの表記があります。
「得意」は、手慣れていて上手なこと。
例)得意中の得意、得意分野
「苦手」の対語として使うほか、いつもひいきにしてくれることや人という意味でも使います。
例)お得意さま、得意先、上得意
また、「失意」の対語として、望みどおりになって満足しているという意味もあります。
一方、「特異」は、字のとおり「特に異なる」こと。普通の様子と違い、非常に稀なことを指します。
例)特異体質、特異な事態
特に優れているという意味でも使います。
例)音楽の分野で特異な才能を発揮
「特異」の類語は「特殊」。「特殊」は「一般」の対語で、普通と違うこと。
例)特殊な才能、特殊鋼
ちなみに「特殊自動車」と「特種用途自動車」では「とくしゅ」の表記が異なります。キャタピラー車やフォークリフトなど、形態・構造・用途などが通常と異なる車が「特殊自動車」。救急車、パトロールカー、レッカー車、キャンピングカーなど、8ナンバー車は「特種用途自動車」です。
間違いやすい言葉 「あらげる・あららげる」
「声を荒らげる」の読みは「あらげる」? 「あららげる」?
「荒らげる」と書いて「あららげる」と読みます。意味は、声や態度などを荒くすること。激しい語気の声を出すことを「声を荒らげる」と言います。送りがなを入れる場合、「荒げる」「荒ららげる」は間違いで、「荒らげる」とします。
ただ、「荒らげる」を「あらげる」と読み、使うケースは増えているため(実は私もそうでした)、テレビやラジオの放送では「あらげる」を使うことも認められているようです。
●参考:NHK放送文化研究所「荒(あら)らげる」と「荒(あら)げる」どちらがよい
一方、共同通信社「記者ハンドブック」では、「荒(あら)らげる」で統一されており、新聞表記では「荒(あら)げる」は使われていません。
では、「荒らげる」の対語は何でしょう? 「和らぐ」と書いて「やわらぐ」です。気持ちが鎮まることを意味します。
例)怒りが和らぐ 気持ちを和らげる
日本酒を飲むとき、チェイサーとして添えるのも「和らぎ水」です。
「柔らぐ」「軟らぐ」と表記するのは誤りで、送りがなも「和ぐ」ではなく「和らぐ」です。
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