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気配りができる人とできない人では仕事の効率がまったく違うワケ

仕事の効率化や質を高める方法を論じる書籍は数多くあれど、「実はもっと単純な方法がある」とするのは、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さん。今回中久保さんは、自身が営業マンをしていた当時の経験談をもとに、効率を高める環境の作り方を紹介しています。

仕事に集中してもらうために必要なこと

もう随分と前のことですが、私は補償コンサルタント業界で営業マンをしていた時期があります。

補償コンサルタントってあまり聴き慣れないと思いますので簡単に説明すると、道路工事や上下水道工事、建設工事、解体工事などの公共事業における近隣住民宅の建物がその工事によって破損したり劣化したりするかどうか、またその公共工事が原因によって劣化したものか? などの因果関係を調べる為の建物調査をしたり、あるいは、工事による騒音や振動により、近隣への影響はあるか? という環境アセスメントの調査、あるいは、高速道路建設のような大きな事業の場合、土地買収による個人土地の買収にあたりその買収額(補償額)の積算を行う、などといった専門的な仕事です(調査は専門の調査スタッフが行います)。

その中でも私は主に近隣住居での建物調査の仕事を行政や施主、ゼネコンから受注していく営業をしていました。

しかし、この営業は、仕事を受注したらハイ、そこまで。とはいきません。むしろ受注してからの方が大変なのです。

受注すれば、その工事現場へ赴き、現場周辺の住民宅へ1軒1軒建物調査へのご協力お願いの挨拶へ廻ります。必要があれば近隣住民へ説明会をします。また、現場周辺の地域情報の収集も怠るわけにはいきません。そして、1日に調査できる量はどれくらいの軒数か? これら全てを調査スタッフへ伝達し、実際に現場へ入ってもらうのです。つまり、調査スタッフがスムーズに仕事できる環境を作るまでが営業の仕事でした。

思えばこの仕事のおかげで、

を学んだように思います。そして、その学びが、スタッフを気持ちよく働いてもらう環境作りになっているんだということを実感することができました。

近畿2府4件を車で走り廻り、いくつもの調査現場を立ち上げてきました。それ相応に相当数の近隣住民の方達へ挨拶し、調査説明や工事説明、調査へ協力して貰う為の交渉などもしました。

中には、工事の反対をする人、工事に難癖をつけて、何とかお金をむしとうろとする人、その筋の人の事務所に挨拶に行けば、刃物を突きつけられ半分軟禁状態…なんてこともありました(冷汗)。

そうかと思えば、逆にきちんと話を聞いてくださり、茶菓子まで用意してれる人や、話好きで、30分、1時間、身の上話を始める人。ほんとに色んな人がいるもので、とにかくどんな人であろうと建物の調査をさせてもらわなくては仕事にならないので必死でした。

しかも1日に出来る軒数は1戸立て住宅100m2で約5軒。例えば、工事現場周辺に民家が30軒あれば6日で全ての調査を行う、ということになります。というか、6日で調査を終了しなければ、会社の利益にはなりませんでしたので6日で終了させなければなりません。ですので、営業マンは6日で終らすための段取りをつけるのが重要な仕事になっていました。

ということで、どうすればスムーズに調査に入れて終了させてることができるか? を考えなくてはいけません。その為に必要なのが情報収集と伝達でした。情報収集は先述したように、

など各住民の特徴や考えをメモするようにしていました。また、各住民さんの近所の評判なんかも他の住民さんから聞くようにしていました。で、調査スタッフに「このAさんのお宅のご主人は何かと細かく気難しい人だから気を使うと思うけど…」なんてことを伝達してました。

また、現場は近畿2府4件と広範囲でしたから、大抵の場所が初めて行く現場が多いということもあり、当時カーナビもありませんでしたので、会社から現場の場所までの地図を何枚もコピーし貼ってはつなげて、黄色の蛍光ペンをなぞってその現場までスムーズに到着できるよう工夫していました。必要があれば、どこそこの交差点はコンビニが2軒並んでいる…なんて目印を書き込んだり。

おかげで近畿2府4県は、カーナビが無くてもほぼ目的地に着けるくらいに道を覚えることが大得意にもなりました。さらに、

なんてことも、住民さんへの挨拶周りの際に調べて伝達するようにしていました。ここまですると、調査スタッフにも喜んでもらえたし、気持ちよく仕事に専念してもらうことができましたので、仕事の質とスピードが一層高まりました。事前に情報を持って対応できるようになったからです。

ほんのちょっとの情報(こういうことを伝えれば相手は仕事に専念できる)ってことを収集し伝えることで、自然と効率と仕事そのものの質が良くなっていきます。よく仕事の効率化とか、質を高めるためには? ってことで何かのプログラムに無理に当てはめたりしようとすることがありますが、

というところから発想することが大事です。その肝となるのが、ちょっとした気配りと情報共有です。御社では、スタッフが仕事に専念できていますか? いきいきと働けていますか? また、そのような環境が整っていますか?

■今日のまとめ

『スタッフに気持ちよく働いてもらう環境を作る。』

image by: Shutterstock.com

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【著者】 中久保 浩平 【発行周期】 毎週:火・木午前8:00発行※祝日の場合は翌日

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