(1)人材
製造はフェブレス(工場なし)の形態をとり、条件を満たす外部の技術力のあるメーカーを選別して発注しています。
「キーエンス」が“人材”に求めているのは、機能としての「専門能力」です。最も重要視される“人材”は「世界初を連発する“企画開発力”」となる“研究・開発技術者”で、そしてそれに次ぐのは「顧客に密着した“コンサルティングセールス”」を高い目標でクリアーでき成果を実現できる“営業担当社員”です。
(2)仕掛け
<研究・開発技術者>
研究・開発技術者に求められるのは、顧客の気付いてすらいない“効用”をもたらす「企画・開発力」で、もちろん何度も営業担当者と同行して顧客の現場に足を運ぶことで実現するのですが。その研究・開発技術者には、年齢・経験にかかわらず意欲と能力があれば積極的に“機会”を与え、そして“成果”があがればそれに連動して評価されて破格の高額報酬が「インセンティブ」として支給されます。
<営業担当社員>
営業担当社員には、顧客の現場情報の収集とそれらにもとづく課題解決のためのコンサルティング提案とその成果としての製品販売が求められます。目標達成のために、情報が提供されるとともにベストプラクティス(最も効率のよい技法、手法)の習得が求められます。
特に特徴的なのは「管理」で、顧客担当者・現場訪問等の接触については、量・質ともに経験豊富なリーダーにより「分刻みでチェック」されます。
※ 顧客(現場)への訪問が重視されるのは、コアコンピタンスである“企画開発力”と顧客に密着した“コンサルティングセールス”をなすための絶対条件の活動であるからで、ここを疎かにすると成果は実現されません。
その目標が成果を含め達成されるように、その目標達成度に応じて破格の高額報酬が支給されるのは研究・開発技術者と同じです。それとともに目標達成がなされなければ、報酬を獲得できる機会から疎外されてしまい好条件が得られなくなるようです。
興味深いのは“人材”が求められるのは“スキル”であって、人間関係については何らの干渉もされないようで、至ってドライでいられる環境です。“プロ”として自身を律して適性があれば、それに応じて高報酬が得られるという「合理的」な“場”が提供されていると言えそうです。
image by: Shutterstock.com









