氏は戦後、疑義をはさまずに続けられている自由主義の教育に疑問を呈する。そこに「正しい天の教え」がないという。
だからこそ教育を通じて、「人間としてやってよいことと悪いこと」をきちんと子供のときに教えなければならないのです。
(同上)
では、われわれは人間性を磨くために何を心がければよいのでしょうか。
第一に、人のために尽くしたい、世のために尽くしたいと思うように努める――布施することです。
第二に、自分を戒めてエゴを抑えていく――持戒すること。
第三に、諸行無常、波乱万丈の人生に耐えていく――忍辱することです。
第四に、精一杯働く。――精進することです。
これらのことを通じて人格を高めていくようにさせることが肝要だと思います。
(同上)
稲盛氏は、尊敬する西郷隆盛の言葉「敬天愛人」を京セラの社是とした。逆境に打ち勝って正しく生きるフィロソフィーをそこに見つけ出した。
モラルを喪失した現政権の政治家たちに読んでほしい本である。
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