京都と比較すらできない。おもてなしを忘れた奈良の大仏商法

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東大寺の大仏で有名な奈良県ですが、その大仏様と同じように彼の地の商売人たちは「おもてなし」の心を忘れ、観光地にあぐらをかいているそうです。無料メルマガ『繁盛戦略企画塾・『心のマーケティング』講座』の著者で繁盛戦略コンサルタントの佐藤きよあきさんは、「京都と比較さえできない」と、このまま大仏商売を続けるようなら街の存続さえ怪しいと警鐘を鳴らしています。

商売人の心を忘れた、奈良の「大仏商法」

「大仏商法」。観光客が多いので、進んで集客をしない

こうした非常に消極的な、奈良の商売人の姿勢を、「東大寺の大仏」にちなんでこう呼びます。ハッキリ言うと、観光地にあぐらをかいた商売です。

多くのお店が夜は営業せず、主要駅周辺の飲食店でさえ、8時には閉店してしまいます。昔からそうなのかというと、違うようなのですが。花街もあり、その関連するお店は夜も営業しており、かなり賑わっていたようです。

いつ頃から“大仏”になったのかは定かではありませんが、努力をせずとも人が来ることで、座ったまま待つようになったのです。その結果、奈良の夜は暗くなり、人びとの姿が消えました。お店が開いていないことで、日暮れから後に遊ぶ場所がなくなり、夜、奈良に滞在する理由がなくなったのです。すると当然、宿泊する人もいなくなり、宿泊施設も少なくなっていきました。

外国人観光客が増えているいま、海外のガイドブックには、「奈良は3時間で充分」とまで、書かれるようになっています。来てはくれるものの、昼間だけで充分な場所だと言われているのです。これでは、いくら“日本ブーム”でも、奈良経済にとってプラスにはなりません。一部の人は改善しようと試みていますが、長年の習慣からは、そう簡単に抜け出すことはできません。

必ず比較の対象となるのが京都ですが、比較する意味さえありません。外国人観光客が、日本でもっとも好きな観光地は京都です。神社・仏閣、伝統・文化。そのすべてにおいて、日本を代表する場所として世界中に知れ渡り、なおかつより多くの人に来てもらうために、「おもてなし」を徹底しているからです。さらに、PR技術にも長けており、その魅力を充分過ぎるほど、アピールしています。

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