中国に振り上げた拳を日本に下ろす。日米貿易摩擦は再来するのか

 

米中貿易戦争の結果

トランプ大統領の米国と習近平の中国の両国は、経済のたたき合いになり、両国ともに疲弊するはずだ。両国以外の国は、両国の戦争を利用して一時的な落ち込みはあると思うが、両国企業への代替になり経済的には得をすると見える。

論理無視の米国大統領の貿易戦争は、ナイキ、P&G、GE、GMや農畜産業、水産業など従来型米国産業や企業の衰退という悲劇になるし、欧州・日本や豪州の産業や企業の得になる。事実、米企業ナイキ代替のドイツ・アディダスは、世界的に売上高が増大して、大幅な株価上昇になっている。

米国ダウは、従来型企業が中心であり、大きく下落することになるし、円やユーロに対してドル安になる。そのために、一時的に日本は円高株安になる可能性もある。

どちらにしても、米国も早くそのことに気が付くべきであるが、一度振り上げた拳はなかなか下せないし、対抗上、中国も貿易戦争を止めない。しかし、米国でも中国産雑貨日用品での関税の引上げは、これ以上できない状況になっている。雑貨日用品で、中国代替国がない。

貿易戦争の拡大

中国・習近平国家主席が折れてくるというトランプ大統領の思惑が外れて焦っているように感じる。

このため、関税以外の問題へトランプ大統領の焦点が移り、中国の米国への留学生をスパイとしてトランプ大統領は見ていて、中国からの留学生を止めるようである。最終的には、米国内の中国人の強制退去なども起こりえるようだ。

また、中国資本の米国不動産を売却するように、米政府は勧告し始めている。これは、米国内の中国資産の凍結も視野に入り始めていることを示す。

中国が米国債を売り始めたら、中国の持つ米国債を無効化するようであり、貿易戦争から全面的な経済戦争になる可能性も出てきた。ホットな戦争の直前様相になる。

しかし、戦争はできないはずであり、全面的な経済戦争ということになるようだ。

対する中国は、米国債の売りは徐々にしても急にはしない。中国の手持ち米国債の無効化があるのでできないが、少なくとも新規の米国債を買わないし、徐々にドルペッグ制を止めることになる。

貿易戦争で米国への貿易の縮小になるが、中国国内消費が増えていることと中国国内インフラ投資で景気を維持する方向のようである。米国への輸出がなくても景気を維持できる可能性がある。

このため、大型減税により米国の財政赤字が膨んで10年米国債発行量は増えるも、買い手である中国が買わないので、金利は上昇して、新興国に対してドル高になる。世界的な嫌米の上に、益々米企業の輸出は難しくなる

この米国債を買う条件を出して日米通商交渉を切り抜ける可能性も出てくる。あまりにも米国の経済通商政策は近未来を予見していないし、現実に起こるまで対応しないようなので、交渉を引き延ばしていると、日本の提案の価値がわかることになる。

今のトランプ政権は、予見可能なことでも予見しない。このようなことをしていて、中間選挙まで、景気が持つのであろうか心配。景気が悪化すると、民主党に流れが傾くことになる。そうすると、2年後の大統領選挙も当選の目がなくなる。

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