それは勧告じゃなく退職「強要」。会社が裁判に負けた4つの判例

 

では、どういった場合が「退職強要」となって無効となるのか? 裁判例を参考に、いくつかの例を挙げていきます。

  • 例1:退職勧奨に応じない従業員に対して、繰り返し何度も、長時間に渡って執拗に退職を迫る。
  • 例2:退職勧奨に応じない従業員に、暴力行為や嫌がらせ行為を行って退職を迫る。
  • 例3:退職勧奨に応じない従業員の親族に対して、退職勧奨に応じるよう説得を依頼する。
  • 例4:退職勧奨に応じなければ、懲戒解雇になるなどと誤信(勘違い)させて退職を迫る。

退職勧奨を断った従業員に対して、さらに退職勧奨を続ける場合には、退職金の上乗せなどの優遇措置や、退職条件の変更等を行う必要があります。一度断られた同一の条件で退職を迫り続ければ、それは「退職強要として不法行為となり、退職も無効となります。

御社で退職勧奨を行う際には、退職強要とならないようにくれぐれもご注意ください。

以上を踏まえて、あらためてお聞きします。

「御社では、退職強要していませんか?」

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【著者】 飯田 弘和 【発行周期】 週刊

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