「自衛隊の歌姫」が隊長から「もう少し力を抜け」と言われる理由

chichi20181109
 

人生上手くいかないことも少なくないですが、そんなとき多くの人は諦めたり無気力感に襲われたりしがちです。今回の無料メルマガ『致知出版社の「人間力メルマガ」』では、「自衛隊の歌姫」として脚光を浴びる三宅由佳莉さん(海上自衛隊東京音楽隊三等海曹)のインタビューを通じ、不遇の身にあっても努力し全力投球し続けることがいかに成功につながるかを説いています。

「自衛隊の歌姫」はこうして生まれた 三宅由佳莉(海上自衛隊東京音楽隊三等海曹)

自衛隊の歴史の中で、初めての歌手となった三宅さん。いまでこそ「自衛隊の歌姫」として脚光を浴びていますが、そこに至る道のりは決して簡単なものではありませんでした。


──厳しい教育訓練を終えて初めて、任務に就けるのですね。

三宅 「はい。でも、配属当初の私は本当に使い物にならず、隊員の一員として何も役に立てていない自分が悔しくて、3年ほどは歯がゆさを感じ続けていました」

──なぜですか?

三宅 「大学ではクラシックを習っていたんですけど、音楽隊ではクラシックだけでなく、オペラや演歌、J-POP、アニメソングなど幅広いジャンルの曲を歌っていく必要があり、各曲に相応しい歌い方をマスターできず悶々としていました。喉や体の使い方が異なるので、ポップな歌い方を練習していても、本番になると元のクラシック調の歌い方に戻ってしまうなど、何度も失敗を重ね、その度に自分の無能さを思い知りました

──それをどう乗り越えましたか。

三宅 「ありがたいことに、音楽隊の先輩方が皆、私の歌う姿勢やマイクの使い方など細かい点まで真剣に指導してくれました。そのため、それまでのプライドは捨てゼロからやり直そうと思い、周りの人の意見を愚直に取り入れました。

でも、『自衛隊の歌姫』としての前例がないため、初めの頃は歌う機会自体も少なく、同期の奏者が様々な場に参加している間も、私は電話番や事務仕事をしていることが多くて、『きょう一日何をやったんだろう』と虚無感が押し寄せてくる日も多々ありました。

やっと演奏会に参加できても、私に与えられたのは1曲だけだったこともあります。その悔しい経験があったから、僅か5分の一曲、一瞬一瞬を大事に、常に全力で思いを込めて歌うようになりました」

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