対中強硬姿勢は民主党も賛成?
【読売】は1面トップに2面、3面は解説記事「スキャナー」と社説、6面と7面は特集、9面経済面にも関連記事。見出しから。
1面
- 上院共和 下院は民主
- トランプ政権に痛手
- 予算伴う政策 困難に
2面
- 米中対立路線 継続へ
- 貿易・人権 民主も強硬
- 習政権 首脳会談で打開探る
3面
- 再選 手応えと陰り
- 中間選挙の遊説 人気
- ラストベルトで苦戦
- 民主、8年ぶり下院奪還
- 米政治の混乱にどう備えるか(社説)
6面・7面
- 民主躍進 攻勢へ
- 下院女性議員 最多95人
- 米紙集計 民主83人、共和12人
- 投票率上昇 47%予測
- 米准教授ら 若者の期日前投票増
- 「米国第一」に逆風
- トランプ氏 大統領令多用か
- 「トランプ流」外交 加速
- 「弾劾訴追」が可能に
- 民主 露疑惑追及の方針
- 知事選 共和 18州で勝利
9面
- 米経済政策 修正の可能性
- 株、米議会「ねじれ」受け反落
uttiiの眼
《読売》も、選挙の結果、トランプ氏は大統領令を多用し、これまで以上に「トランプ流」の外交を加速させるだろうと言っている。他紙と色合いが違うのは、外交の中でも特に重要と思われる対中路線についての以下の議論だ。
《読売》2面記事は、民主党に下院を押さえられたことで「トランプ米政権は通商・外交面で対立を深める中国に、さらに厳しく対応していくと見られる」としたうえで、実は、「民主党は貿易面では共和党より保護主義的で、中国の人権問題への関心も強く、トランプ政権にさらなる圧力強化を求める可能性が高いためだ」と書いている。対中強硬姿勢は共和党ではなく、むしろ民主党のものであって、トランプ氏は対中強硬策については議会の後押しを受けながら、政策を実行していくことができるというわけだろう。それだけではない。《読売》はそれ以上の分析も予想も立てていないが、この点を利用すれば、民主党内にくさびを打ち込むことも可能になるかもしれない。
2面掲載の花田吉雄・アメリカ総局長のコラムは、トランプ氏がグローバリゼーションから取り残された白人労働者層の感情をくすぐり、米社会の分裂を広げてきたことを指摘し、トランプ氏はこれからも人種間の対立などを煽って求心力を高めていこうとするだろうとする。そして、最後に次のような指摘をしている。分断化が進行する中、「両党の二極化を敬遠してか、無党派層が両党の支持層を上回る最大勢力になっている」という。両党は特定の勢力だけに焦点を当てるだけでなく、「中道層や無党派層にも受け入れられる裾野の広い寛容な政治に取り組むしかない」と、トランプ氏や民主党を窘(たしな)めている。