米国の焦燥感
【毎日】は1面トップに関連記事が、2面、3面の解説記事「クローズアップ」、5面に社説、6面関連、8面と9面は特集扱い、11面には識者の見方。見出しから。
1面
- 下院は民主 ねじれに
- トランプ政権に打撃
- 上院 共和が過半維持
- 女性議員 最多
- 分断の底流変わらず
2面
- 米国第一 拍車に警戒
- 日本、通商政策を注視
- 中露 関係改善見えず
- 女性・若者 民主へ 出口調査
- 黒人女性「熱気再び」
3面
- トランプ流 先鋭化も
- 再選狙い対立あおる
- 民主、疑惑追及へ
- 協調なき外交 継続
- 保護主義強まる恐れ
5面
- 「憎悪の政治」に終止符を(社説)
6面
- 米「ねじれ」財政に影
- 債務上限問題 再燃か
- 市場「結果は想定内」 東証乱高下
8面
- 「トランプ氏弾劾」要求も
- 近く捜査報告書書とりまとめ
- 早くも次見据え始動
- 大統領選へ自薦続々
- 「定説」通り 与党苦戦
9面
- 不仲の大物 選別加速
- マティス、ケリー氏 閣外も
- 少数派「史上初」次々
- 舌戦過熱 得票拡大
- 激戦テネシー州 民主倍増
- 知事選 共和後退 民主が7州奪取
uttiiの眼
《毎日》は、少し時間と空間を広げることによって、今回の中間選挙の意義を確認しようとしているように見える。1面の及川正也論説副委員長(前北米総局長)のコラムは、「難民排斥など地球規模のポピュリズムの潮流」があることを指摘。「トランプ政治を生んだのは、歴史的な変容期に身構える米国の焦燥感」と捉えている。米国の白人は、人口が減り始め、30年以内に半分以下になると言われている。「収入はアジア系に及ばず、失業率改善の恩恵は黒人に向かう」とも。国力はといえば、10年余で中国に「世界一の経済大国」の座を奪われるとの予測があり、「軍事的にも中露の追い上げが激しい」とする。
《毎日》は、日本にとっては「アジアで緊張を高めないこと」が利益に合致したことであり、「米国に自制を求めることも必要になろう」という。
正直言えば、自制を求めようが求めまいが、凋落しつつある米国がその悲しさに身悶えしているさまが変わることはあるまい。必要なのは「自制を求める」ことではなく、米国に依存しない社会体制をつくっていくことではないだろうか。